2019年 7月

発症していないのに、たくさんの抗リウマチ剤の投与で副作用出現

<47歳・男性>
2012年、全身の関節痛が出現したため、近くの整形外科を受診。一年後、近くの内科を受診した。抗CCP抗体が888と高値だったためリウマチと診断され、専門医を紹介された。

そこでは、アザルフィジン、リマチル、を処方された。さらには、リウマトレックスも追加されていた。しかし肝障害が起きたため、自ら服用を中止し、通院を中断した。

その後、漢方で有名な病院へ行くも、自費と遠方のため中止。その後病院を転々とし、痛いところに局注を繰り返した。この2年間は、病院にかかっていなかった。

知人の紹介にて、当院を受診。抗CCP抗体は非常に高値で、リウマチ因子も陽性であった。

しかし、貧血や手足の変形もなく、CRPも0.2以下と炎症所見は認められず、今は病気は起きていない旨を伝えた。

リウマチ因子陽性でも活動性ないなら治療は必要ない。

<54歳。女性>
平成23年5月、両手が腫れたので近くのリウマチ科を受診。リウマチと診断され治療開始。リウマトレックスなど多くの薬を服用していた。そのために肝障害が発生し、その後改善できなかったため治療を中止した。

その後、個人的な諸事情により病院を受診しなかった。

平成29年11月、知人の紹介により、「今の自分の状態が知りたい」と、当院を受診。

検査してみると、リウマチ因子のみが陽性で、CRP、MMP-3は陰性、リウマチの活動性はまったく認められなかった。手のレントゲンを撮ると、典型的な変形性指関節症であった。

3ヶ月後、再度来院してもらったが、リウマチの活動性は認められなく、リウマチではない(今は発症していない)ので、症状が出ない限り治療は必要ない旨を本人に説明した。

高齢者に多量のステロイドやリウマトレックスが?       ステロイド離脱指示。

<83歳・男性>
平成28年10月、両手首に痛みがあったため、総合病院を受診。検査にてリウマチと診断され、高齢にもかかわらず、プレドニン10㎎/日、ケアラム50㎎/日、プログラフ1.5㎎/日という多量の免疫抑制剤が出されていた。それに加え、胃薬や降圧剤、抗生物質などがプレドニンの副作用予防のために処方されていた。

それにもかかわらず、両手首の痛みは良くならず、2年後に知人の勧めもあって、当院を受診。

初診時には、両手首の痛みに加え、両膝に関節液を認め、歩行困難な状態であった。

検査すると、ヘモグロビン9.3と貧血が著明であり、CRP(6+)と高く、滑膜炎を表すMMP-3は1000を超えリウマチの活動性はMAXに高く、薬は全く効いていない状況であった。当院ではプレドニン以外はすぐに中止し、アクテムラの治療を開始した。

アクテムラの1回の皮下注で、CRP(1+)、ヘモグロビン10.7と著明に貧血は改善し、関節の腫れも消失し、他の関節痛も軽減してきている。今後はプレドニンも中止でき、アクテムラの単独治療で十分寛解されるものと考えている。

高齢者には、ソフトでリスクの少ないものを選択するべきであると考える。

具体的な治療内容 生物製剤療法
副作用・リスク ※ 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎

※ 個人差はありますが、事前検査や上手な自己管理で、極力副作用を抑えることができます。

リウマチと誤診。その後発症…

<69歳・女性>
平成29年4月、右手親指、右足裏、外反母趾に腫れや痛みが出たため、近医の整形外科を受診。そこでは、検査もしていないのにリウマチではないと言われたためおかしいと考え、専門病院を受診した。検査の結果、関節リウマチと診断され、治療の薬(プレドニゾロン2㎎/日、メトレート(2)5cap/週、リマチル200㎎/日)を処方された。

しかし、両膝の痛みは治まらず、何度も関節液が溜まったため、近医の整形外科を受診。そこでは、変形性膝関節症ということで、関節液の抜水とヒアルロン酸の注射の治療を受けていた。しかし改善せず、インターネットで当院を探し受診することとなった。

持参された検査データを見ると、「リウマチと診断されたときには、リウマチ因子もなく、炎症を表すCRPもなく、リウマチは発症していなかった。でも免疫抑制剤を数種服用したため、免疫力が極端に低下してしまって、半年後には本当にリウマチが発症していますね」と患者さんに伝えた。

またステロイドの副作用なのか、腰椎の圧迫骨折も起きていた。患者さんからステロイドを中止したいという意向があったので、まずリウマトレックスを止め、アクテムラの治療に変更することにした。

アクテムラの治療に変更し、1,2回から炎症反応は消失し、両膝から関節液もなくなり、その後3回目からは経過も良好。

これは、専門医を受診したためにリウマチと誤診を受け、治療で免疫抑制剤を処方され免疫力が低下してしまった。そのために、もともと持っていたと思われるリウマチの体質が本当に出てしまった、と考えられる稀なケースである。

具体的な治療内容 生物製剤療法
副作用・リスク ※ 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎

※ 個人差はありますが、事前検査や上手な自己管理で、極力副作用を抑えることができます。

リウマチではないのに治療するなんて!

<40歳・女性>
首・胸・背中の痛みが出現したため、近くの整形外科を受診。CRPが0.51と炎症反応があったため、リウマチの可能性もあるということで大きな病院のリウマチ科を紹介された。(実はこの時、白血球の値が高値だったので、CRP上昇は細菌による感染症と思われる。)

受診したリウマチ科では、リウマチ因子も抗CCP抗体もどちらもなく、当然CRPはないが、担当医はリウマチと考え、リウマトレックス4cap/週を処方していた。患者さんは自分の病気を聞いてみたが、はっきりとした病名もなく、一年間もリウマトレックスを飲み続けた。

痛みが一向に治まらず、改善もされないので当院を受診。持参した検査データを見ると、関節の破壊を表すMMP-3は一度も検査されていなかった。

全くリウマチの可能性がないので、リウマトレックスは中止した。

なぜ高齢者に多量の免疫抑制剤?

<76歳・女性>
近くの整形外科でリウマチと診断され、プレドニン10㎎とリウマトレックスを1週間に5capを約30年間投与されていた。手足のしびれが増し、何度も感染症を起こしたり、一向にリウマチの症状も改善されず、変形もひどくなったりすることで、心配されたご家族がインターネットで調べ、セカンドオピニオンとして当院を受診。

調べてみると、貧血がひどく、リウマチの活動性は軽度であるが、関節の破壊を表すMMP-3は400超と高値。長期のステロイド投与による多発性神経炎を発症し、リウマチの治療が一向に効果がなかったことが予測された。

関節の破壊がひどくリウマトレックスは中止し、様々な副作用があるのでステロイドは早急に減量し、治療を変更する必要があると考え、新しいリウマチの薬を投与する予定である。

具体的な治療内容 生物製剤療法
副作用・リスク ※ 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎

※ 個人差はありますが、事前検査や上手な自己管理で、極力副作用を抑えることができます。

リウマチの体質があるだけでは治療の必要なし。

<64歳・女性>
平成29年11月、こわばりが時々あるので、近くのリウマチ専門医を受診。リウマチ因子、抗CCP抗体ともに強陽性であったため、すぐにリウマチと診断されて、リウマトレックスを1週間に2cap、プレドニン5㎎を毎日投与されていた。

平成30年1月、「私は本当にリウマチなのか」ということで当院を受診。聞いてみると、薬は怖いということで、リウマトレックスもプレドニンも飲んでいなかった。

検査してみると、確かにリウマチ因子、抗CCP抗体は強陽性ではあるが、CRPは0.05以下と炎症所見はなく、滑膜炎を表すMMP-3も正常値。朝のこわばりは、時々みられる程度であった。

リウマチの体質があるだけで、リウマチは発症しておらず、治療の必要はなく経過観察でよいことを患者さんに説明した。

副作用の多いステロイドは離脱。症状は改善。

<81歳・女性>
膝や手の痛みが一向に良くならないので、知人の紹介にて当院を受診。

聞くと、地方の総合病院のリウマチ科にて、約10年間リウマチの治療を受けていた。高齢にもかかわらず、1日にメドロール1.5錠(ステロイド)、ケアラム(25㎎)1錠を処方されていた。さらに痛み止めなどたくさんの薬(約14種類)も使われていて、糖尿病と骨粗鬆症を合併していた。

炎症を表すCRPはマイナスであったが、滑膜炎を表すMMP-3のみ上昇していた。糖尿病と骨粗鬆症と滑膜炎は、ステロイドの長期投与によるものと考え、アクテムラ(皮下注射)に治療を変更し、ステロイドは減量~離脱できた。MMP-3はすぐに正常化して、合併していた糖尿病は消失し、骨粗鬆症は改善傾向にある。

具体的な治療内容 生物製剤法
副作用・リスク ※ 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎

※ 個人差はありますが、事前検査や上手な自己管理で、極力副作用を抑えることができます。

リウマチの体質があるだけで治療するのは間違っている。

<60歳・男性>
治療歴は約7年。初診は他県のリウマチ専門病院で、リウマチと診断されてから多くの量のリウマトレックスを投与されていた。その後、転勤を繰り返し、大学病院やリウマチ専門病院を受診し、治療を継続。当院には平成29年7月来院。来院時には、経過もよく、リウマトレックスは1週間に2capと少量でコントロールできているということで、同様の治療を希望された。

初診時からの検査データを持参されていたので、詳しく調べてみると、リウマチ因子はなく、抗CCP抗体は強陽性、CRPも0.05未満と炎症所見はなく、MMP-3も85.2と正常だった。発症から一度も炎症所見も関節の破壊もなく、抗体を持っていただけで、この7年間一度もリウマチが起きたという証拠がないと考えられ、そのことをご本人に説明し、納得され治療を中止し、3ヶ月後再検査を予定している。

大学病院やリウマチ専門病院で、リウマチが起きていないのにプレドニンや抗リウマチ薬(抗ガン剤)などを投与することは数多くみられることがあるが、それは明らかに間違っている。

本当にリウマチ?  

<56歳・男性>
5~6年前から両手はばね指になっていて、近くの整形外科で治療していた。昨年の秋より、朝のこわばりが出現。その整形外科では「リウマチはない」と言われた。しかし、痛みがあるのでリウマチ専門クリニックにかかった。

リウマチ因子、抗CCP抗体も何もなく、炎症所見もなかったが、関節の異常を指摘されMRIを撮られ、「間違いなくリウマチ」と診断された。1週間にメトトレキサート8capを投与されたが、全く効果がないため中止。「私は本当にリウマチなのかどうか」が知りたくて当院を受診。

当院では、変形性指関節症の特徴的な、ヘバーデン結節、ブシャール結節が認められるのみで、リウマチではないと診断した。当然「治療は必要なし」と伝えた。

リウマチ因子陽性のみ、炎症所見なし。

<50歳・女性>
近くの病院でリウマチと診断され、約7年間アザルフィジン、リマチルという抗リウマチ薬2種類を投与されていた。一向に手の指の関節痛が軽減せず、「本当にリウマチなのか」と当院に来院。

リウマチ因子が陽性なだけで、CRP、MMP-3、関節の炎症は認めず。レントゲンを撮ると、変形性指関節症のみであり、リウマチの治療は必要ないため、投薬は中断。手の指の痛みは、老化(主に遺伝)による変形性指関節症と説明し、ご本人は納得された。

プレドニン減量、活動性消失し、生活改善。

<79歳・女性>
約30年間、全国系列の大学病院で治療を受けていた。一日にプレドニン10㎎、ケアラム(25㎎)1錠投与。間質性肺炎と腎機能障害も合併していた。たくさんの薬を飲んでいるので、薬を減らす目的で来院。

リウマチの活動性は高く、両膝に水が溜まっていて、生活そのものが困難な状態。効果が全くなく、CRP、MMP-3の上昇がみられた。

当院では、治療をアクテムラ皮下注に変更し、CRP(-)、MMP-3も60以下とリウマチの活動性は消失したため、現在ではプレドニンを10㎎から4㎎と減らし、通常の生活が送れるようになっている。

具体的な治療内容 生物製剤療法
副作用・リスク ※ 注射部位反応、上気道感染、肺炎、蜂巣炎、胃腸炎

※ 個人差はありますが、事前検査や上手な自己管理で、極力副作用を抑えることができます。

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について
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