<20歳・女性>
13歳のころから、若年性特発性関節炎で治療。
運動部に所属、全身に痛みが出現したため、近くのリウマチ専門の整形外科を受診。検査すると、リウマチ因子陰性、CRP(-)、MMP-3 38とと全く異常がないにもかかわらず、プレドニン5㎎/日、リウマトレックス2c/週が投与されていた。
しかし、服用しても一向に症状は改善しなかったため、母親が自著を読み、セカンドオピニオンで来院。
レントゲンを撮ってみると、両手指(手首も含む)の関節裂隙はほとんど消失し、骨同士がぶつかっていた。膝も軟骨が減り、歩行困難な状態。指にはテーピング、膝にはサポーターが欠かせない生活を送っていた。
持参した検査データをみると、リウマチ因子も炎症反応も何一つなかったが、鉄欠乏性貧血の所見がみられた。炎症所見もなく、リウマチの治療の必要性はなく、すべての症状は貧血が起因していると考えられた。
リウマチを専門と掲げた整形外科で、リウマチ因子も炎症所見も何もないのに、症状が似ているからということだけでリウマチの治療を行うとは、あってはならないことである。