正常な人がリウマチと誤診された

炎症もはっきりしないのに、リウマトレックスは不適当。生物製剤はまったく必要ない。

<40歳 男性>
4月より、左手首に腫れと痛みが出現。整形外科を受診したことろ、リウマチ専門病院を紹介された。そこでのMRI検査で、左手根骨の腫脹と滑膜の増殖があり、びらんも疑われた。左手根骨周囲の腱鞘炎であろうという診断だった。

検査では、リウマチ因子、抗CCP抗体ともになく、CRP(±)、MMP-3は74.1とほぼ炎症はみられなかった。主治医からは、回帰リウマチと診断されたようで、リウマトレックス2cap/週が処方され、「今後は生物製剤の注射に変わる」と言われた。

初診の時、データに異常がないことを不審がられていたことと、今後金額がかかる注射に変更するということもあり、本当にリウマチなのかどうかもう一度確認したくて、当院を受診。

持参した検査データをみてみると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともにマイナス、関節破壊も炎症所見もほぼ認められなかった。リウマチの診断基準も満たされておらず、活動性もないので、リウマチの診断はできない状況で、当然治療は必要ないと思われる。

回帰リウマチは100%否定できないが、発作が起きたときの炎症所見はほぼなく、関節の破壊もない。リウマチ因子もないことから、可能性は非常に低く、今回は手首に炎症を起こしただけ、所謂腱鞘炎であると考え、専門医での治療を勧めた。

炎症もはっきりしないので、リウマトレックスは不適当であり、生物製剤はまったく必要のない症例であった。

診断基準を満たしていないのに治療?

他院で何年も前からヒュミラ(生物製剤)の治療を受けていた。

主治医の転院に伴い移動。その後、その病院が一時閉院になったため、他のリウマチ専門病院を紹介された。

そこでは、リウマチが軽度であったため、ヒュミラから免疫抑制剤のメトレート1cap/週に変更された。

しばらくすると、「うちは患者さんが多い。あなたはリウマチが軽いので、近くの病院で診てもらってください」と言われたため、当院に来院。

持参された検査データをみてみると、リウマチ因子も、抗CCP抗体もなく、炎症所見を表すCRPや、滑膜炎を表すMMP-3も全く正常だった。また、手の変形もなく、貧血もなかった。

私はその患者さんに、「あなたは、診断基準に合わせてみても、リウマチではありません。治療も必要ありません」と伝えた。

この症例は、診断基準を何ひとつ満たさないケースで、リウマチの診断はありえなく、リウマチの治療をするなんて、とても遺憾である。

後述談になるが、この患者さんの兄がリウマチで、自身がリウマチになることを非常に恐れていたため、予防を兼ねてのリウマチの治療だったと思われるが、これはルール違反で、まったく必要のない治療で、非常に信じられないケースである。

全くリウマチは認められない

<61歳・女性>
平成29年12月、友人(看護師)から「あなたの手はリウマチかも」と言われ、教えてもらった専門病院を受診した。そこでリウマチと診断され、リウマトレックス4cap/週を処方された。

平成30年3月、身体の怠さ、頭痛、吐き気など出現。主治医に話したところ、「リウマトレックスの副作用が出ましたね」と言われ、2cap/週に減量された。しかし採血した際に、「リウマチが悪化している」と言われ、また4cap/週に戻された。その時、「これで効果がないようなら、ヒュミラ、シンポニー、シムジアなど生物製剤も追加する必要があります」と言われた。

その説明に十分な納得がいかなかったのと、不安が多くなったため、ネットでリウマチのことを調べ、拙著購入。『リウマトレックスは非常にリスクが高い薬である』ということを知った。体調もすぐれないので、当院を受診した。

検査してみると、リウマチ因子も抗CCP抗体もなく、炎症を表すCRPも、滑膜炎を表すMMP-3も全て正常。また、持参された検査データからも、「リウマチと診断された時、リウマチは発症していないし、その後も出現していない」と言うと、非常に驚かれた。

また、指は変形性指関節症で、少し変形が強く、以前かかった先生はリウマチによる変形と勘違いされ、リウマチの治療をずっとされていたのではないかと考えられた。

当院では、全ての薬を中止し、1か月後に検査して副作用がなければ、来院する必要はない旨を伝えた。

専門医に行ったため、リウマチと間違えられ、病気もないのに危険な薬を使用され、さらに高価な治療も加えられそうになった、非常に気の毒な、よくある症例である。

リウマチ因子も炎症所見もない。それなのにリウマチ?

<20歳・女性>
13歳のころから、若年性特発性関節炎で治療。
運動部に所属、全身に痛みが出現したため、近くのリウマチ専門の整形外科を受診。検査すると、リウマチ因子陰性、CRP(-)、MMP-3 38とと全く異常がないにもかかわらず、プレドニン5㎎/日、リウマトレックス2c/週が投与されていた。
しかし、服用しても一向に症状は改善しなかったため、母親が自著を読み、セカンドオピニオンで来院。

レントゲンを撮ってみると、両手指(手首も含む)の関節裂隙はほとんど消失し、骨同士がぶつかっていた。膝も軟骨が減り、歩行困難な状態。指にはテーピング、膝にはサポーターが欠かせない生活を送っていた。
持参した検査データをみると、リウマチ因子も炎症反応も何一つなかったが、鉄欠乏性貧血の所見がみられた。炎症所見もなく、リウマチの治療の必要性はなく、すべての症状は貧血が起因していると考えられた。

リウマチを専門と掲げた整形外科で、リウマチ因子も炎症所見も何もないのに、症状が似ているからということだけでリウマチの治療を行うとは、あってはならないことである。

リウマチではないのに治療するなんて!

<40歳・女性>
首・胸・背中の痛みが出現したため、近くの整形外科を受診。CRPが0.51と炎症反応があったため、リウマチの可能性もあるということで大きな病院のリウマチ科を紹介された。(実はこの時、白血球の値が高値だったので、CRP上昇は細菌による感染症と思われる。)

受診したリウマチ科では、リウマチ因子も抗CCP抗体もどちらもなく、当然CRPはないが、担当医はリウマチと考え、リウマトレックス4cap/週を処方していた。患者さんは自分の病気を聞いてみたが、はっきりとした病名もなく、一年間もリウマトレックスを飲み続けた。

痛みが一向に治まらず、改善もされないので当院を受診。持参した検査データを見ると、関節の破壊を表すMMP-3は一度も検査されていなかった。

全くリウマチの可能性がないので、リウマトレックスは中止した。

本当にリウマチ?  

<56歳・男性>
5~6年前から両手はばね指になっていて、近くの整形外科で治療していた。昨年の秋より、朝のこわばりが出現。その整形外科では「リウマチはない」と言われた。しかし、痛みがあるのでリウマチ専門クリニックにかかった。

リウマチ因子、抗CCP抗体も何もなく、炎症所見もなかったが、関節の異常を指摘されMRIを撮られ、「間違いなくリウマチ」と診断された。1週間にメトトレキサート8capを投与されたが、全く効果がないため中止。「私は本当にリウマチなのかどうか」が知りたくて当院を受診。

当院では、変形性指関節症の特徴的な、ヘバーデン結節、ブシャール結節が認められるのみで、リウマチではないと診断した。当然「治療は必要なし」と伝えた。

リウマチ因子、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG抗体全てマイナス。

<53歳・女性>
朝のこわばりで指先を使うと痛くなり、近くのリウマチ専門医を受診。抗CCP抗体、リウマチ因子、抗GAL欠損IgG抗体、全てマイナスで、CRPも0.5以下。MMP-3が26.8と正常。それでも、MRIを撮られ、「リウマチの初期で治療が必要」と言われ、薬を処方された。しかし、「本当に私はリウマチなのか」と疑い、セカンドオピニオンとして当院を受診。

リウマチの活動性も全くなく、リウマチの診断基準も何一つ満たしていないため、「リウマチはではない。当然治療など必要なし」と伝えた。

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について
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