リウマチによく似た他の症例

リウマチ因子、抗CCP抗体ともに強陽性。「あなたは将来身体障害者になります」と言われた!

<49歳・女性>
約2年半前、右手の指に腫れが出現し、整形外科を受診。リウマチ因子と抗CCP抗体ともに強陽性のため、リウマチと診断され、リウマトレックス2cap/週を処方された。そこでは「あなたは将来身体障害者になります」と言われたり、薬の処方が3ヶ月分と長期だったため不安になり、転院した。

リウマトレックスを服用すると、むかつきや胃痛が出現した。転院を繰り返しても、リウマトレックスは処方された。

4度目の病院でもリウマトレックスは処方され、プレドニン(5)1T/日が追加された。しかし、プレドニンは服用しなかった。

どこの病院を受診しても、服用すると気分が悪くなるリウマトレックスを処方され、飲み続けることへの不安があり、当院を受診することになった。

持参された検査データをみてみると、リウマチ因子と抗CCP抗体はともに強陽性。CRPは±、MMP-3は一度も検査されていなかった。

検査してみると、確かにリウマチ因子と抗CCP抗体はともに強陽性ではあるが、炎症を表すCRPは±、MMP-3は正常であり、リウマチの活動性ははっきり認められなかった。

リウマトレックスは、副作用が出るので中止し、自己注射しているプレドニンは、抗リウマチ薬ではないため当然中止。
現在は経過を見ながら、リウマチの活動性が認められた時点で、抗リウマチ薬を投与することにしている。

炎症もはっきりしないのに、リウマトレックスは不適当。生物製剤はまったく必要ない。

<40歳 男性>
4月より、左手首に腫れと痛みが出現。整形外科を受診したことろ、リウマチ専門病院を紹介された。そこでのMRI検査で、左手根骨の腫脹と滑膜の増殖があり、びらんも疑われた。左手根骨周囲の腱鞘炎であろうという診断だった。

検査では、リウマチ因子、抗CCP抗体ともになく、CRP(±)、MMP-3は74.1とほぼ炎症はみられなかった。主治医からは、回帰リウマチと診断されたようで、リウマトレックス2cap/週が処方され、「今後は生物製剤の注射に変わる」と言われた。

初診の時、データに異常がないことを不審がられていたことと、今後金額がかかる注射に変更するということもあり、本当にリウマチなのかどうかもう一度確認したくて、当院を受診。

持参した検査データをみてみると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともにマイナス、関節破壊も炎症所見もほぼ認められなかった。リウマチの診断基準も満たされておらず、活動性もないので、リウマチの診断はできない状況で、当然治療は必要ないと思われる。

回帰リウマチは100%否定できないが、発作が起きたときの炎症所見はほぼなく、関節の破壊もない。リウマチ因子もないことから、可能性は非常に低く、今回は手首に炎症を起こしただけ、所謂腱鞘炎であると考え、専門医での治療を勧めた。

炎症もはっきりしないので、リウマトレックスは不適当であり、生物製剤はまったく必要のない症例であった。

効果のある治療を変更された

 

リウマチの発症は17歳。リウマチと近医で診断され、リウマトレックス4cap/週を処方された。しかし、効果はみられず転院した。

そこでプレドニン(5)1T/日、リウマトレックス4cap/週を処方されるも、症状は改善しなかった。

母親が「リウマチが治った」を読み、当院受診を勧め、夜行バスでの来岡となった。

検査してみると、抗核抗体、リウマチ因子、抗CCP抗体すべて陽性。CRP(2+)、MMP-3 437.8と活動性が著明であった。そのため、アクテムラ(点滴、1回/月)に変更した。効果は劇的で、CRPもMMP-3も正常値になり、関節痛も消失した。

計4回の点滴をしたが、東京、埼玉等に緊急事態宣言が出たため、来院ができなくなった。近医にかかるため、紹介状を書いた。
紹介状には、アクテムラが著効を示し、今後そちらの病院での治療を希望されることを書いた。

ところが先日、彼女から「メドロールが処方されたが、服用して良いか?」と問い合わせがあった。やっと中止できた薬をまた処方されていことに驚き、念のため「アクテムラは上手くいっているの?」と聞くと、「エンブレルに変わったんです」という答えが返ってきた。紹介状の意味がないじゃないかと憤慨したが、母親と一緒にアクテムラができる病院を探したほうが良いことを勧めた。

これは、アクテムラで効果があるという紹介状に書いたのに、その意味をなさず、まだ時代遅れの治療をするという、非常に嘆かわしいことである。

リウマチ因子、抗CCP抗体は陽性。しかし活動性はない。

 

指の痛みが出現したため、総合病院整形外科を受診。リウマチが疑われたため、同院内科を受診。検査より、リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性、炎症も骨破壊も激しいということで、リウマトレックス4cap/週で治療が開始された。

詳しい説明もなく納得できなかったため、本当にリウマチかどうか知りたくて、当院を受診。

検査してみると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性。しかし、CRP(—)、MMP-3は38.9と炎症所見もなく、リウマチの活動性は認められなかった。

リウマチの素因はもっているが、まだ発症していないので、今は治療の必要はないことを説明した。

発症もしていないのに…薬で体調を崩して当院へ

<85歳 女性>
平成28年、草取り中に、下肢のしびれ、膝、股関節に痛みがあり、動ききにくくなる。近医を受診し、血液検査にてリウマチと診断され、プレドニン5㎎/日、メトトレキサート4cap/週を処方され、ときどき肩などに局注を受けていた。

平成29年、主治医が変わったため、生物製剤のアクテムラが追加になった。炎症も関節痛も消失したが、6回目終了後、ふらつきなどの体調不良があった。主治医は、アクテムラの副作用と考えられ中止となった。その後、生物製剤のシンポニー(月1回)に変更された。

「膝から下がカチカチに腫れ変色している」と主治医に伝えると、「プレドニンの副作用だ」と言われた。

知人から、「あまり変形がないので、私と同じように、リウマチがまだ発症していないのではないか」と言われ、当院受診となった。

持参された検査データをみると、炎症所見はあまりみられなかった。レントゲンを撮ってみても、リウマチの変形はほぼみられなかった。抗CCP抗体も、MMP-3も、一度も検査されていなかったが、リウマチ因子は600と高く、前医はリウマチ因子を定期的にはかり、それをメルクマールに治療を継続していたようだ。そのため、85歳と高齢にもかかわらず、使用すべきではないステロイドを処方し、リウマトレックス、シンポニーと、非常にリスクの高い薬も処方されていた。

リスクの高い薬が、必要もないのに処方されていたことは、非常に遺憾である。

炎症がなければすべての薬を中止し、炎症があればアクテムラの治療を再開し、その後、その他の薬は減量~中止する予定である。

ヘバーデン結節とブシャール結節

<62歳 女性>
平成30年10月、右手の人差し指(2)、中指(3)、薬指(4)のDIP関節の痛みが強くなり、近医を受診。そこで、リウマチと診断され、アザルフィジンを処方された。

一向に症状が良くならないため、通っている整体で相談したところ、当院を紹介され、受診することとなった。

持参された検査データをみてみると、リウマチ因子は陽性、CRPは0.05以下、抗CCP抗体はマイナスで、リウマチの活動性は全く認められなかった。滑膜炎を表すMMP-3は検査されていなかった。

手のレントゲンを撮ってみると、右手指のDIP関節は関節裂隙狭小化と石灰化がみられ、典型的な変形性指関節症であり、右の第2・3・4指のPIP関節も腫れが認められた。これらより、ヘバーデン結節、ブシャール結節と診断した。

リウマチの体質はあるが、まだ発症していないので、治療は必要ないと説明した。今後、発熱やこわばり、指の腫れがひどくなったなど、変わったことがあれば来院することを勧めた。

これは、リウマチ因子が陽性なだけで、まだ発症していないのに治療をされていた例である。

リウマチの活動性がないのに治療されていた!

<51歳 男性>
約10年前、両肩が挙がらなくなったため、近くのリウマチを専門とする整形外科を受診。リウマチ因子、抗CCP抗体ともに強陽性のため、リウマチと診断され、メトトレキサート2cap/週を処方された。

引っ越しされ、当院を受診。手足には全く変形がなく、CRP(-)、MMP-3は正常値で、リウマチの活動性は全く認められなかったため、内服を中止していただいた。

リウマチの治療をしないまま、約5ヶ月が経過したが、活動性は認められていない。

リウマチ因子、抗CCP抗体陽性。しかしCRP、MMP-3は正常値。

<38歳・女性>
平成28年、左手首に痛みが出現したため、近くの整形外科を受診したが、検査も何もしなかったため医院を変えた。その医院にて検査をしたところ、リウマチの疑いがあるとのことで、専門医を紹介された。

専門医では、リウマチ因子が陽性なので、関節エコーを撮りリウマチの所見があるということで、リウマチと診断され薬を処方された。薬はプレドニン、サラゾスルファピリジン。症状は特別変化はなかったが、リウマチ因子が高値のままだったため、生物製剤のエンブレル皮下注の導入・変更になった。しかし副作用が出現したため中止。その後シムジア皮下注に変えたが、同様に副作用が出たため中止された。そしてオレンシアの点滴(月1回)を続けていた。

2年以上治療を続けてきたが、当初からCRPもマイナスで、指にも変形がないので、自分は本当にリウマチなのかと思い、ネットでリウマチの名医を調べた。「CRPがマイナス、本当にリウマチ?」などで検索すると当院がヒットしたので、セカンドオピニオンとして受診。

持参されたデータから、リウマチ因子と抗CCP抗体は共に陽性で、リウマチの体質は持っているけれど、CRPもMMP-3も初めから正常値なので、リウマチは一度も発症していなかったのではないかと本人に伝え、今はオレンシアの点滴の必要性はない旨を説明した。

本人は妊娠を希望されており、オレンシアは中止したので、14週後からは妊娠に問題ないと言われている話をした。

診断基準を満たしていないのに治療?

他院で何年も前からヒュミラ(生物製剤)の治療を受けていた。

主治医の転院に伴い移動。その後、その病院が一時閉院になったため、他のリウマチ専門病院を紹介された。

そこでは、リウマチが軽度であったため、ヒュミラから免疫抑制剤のメトレート1cap/週に変更された。

しばらくすると、「うちは患者さんが多い。あなたはリウマチが軽いので、近くの病院で診てもらってください」と言われたため、当院に来院。

持参された検査データをみてみると、リウマチ因子も、抗CCP抗体もなく、炎症所見を表すCRPや、滑膜炎を表すMMP-3も全く正常だった。また、手の変形もなく、貧血もなかった。

私はその患者さんに、「あなたは、診断基準に合わせてみても、リウマチではありません。治療も必要ありません」と伝えた。

この症例は、診断基準を何ひとつ満たさないケースで、リウマチの診断はありえなく、リウマチの治療をするなんて、とても遺憾である。

後述談になるが、この患者さんの兄がリウマチで、自身がリウマチになることを非常に恐れていたため、予防を兼ねてのリウマチの治療だったと思われるが、これはルール違反で、まったく必要のない治療で、非常に信じられないケースである。

呼吸器の専門で入院して治療するも、原因菌が分からないままで、逆に体調を崩してしまった!

<58歳 女性> 「リウマチで受診されたが、違う病気が見つかった!」後日談

専門医で肺の治療を終えた患者さんが、リウマチの治療をしたいと来院。診察してみると、咳と痰は依然として続いており、顔色は悪く体調が悪そうに見えた。

検査してみると、CRP(4+)、白血球16500と、初診時と全く変わらない状態であった。さらには、肝機能を表すGOT、GPTが193、136と上昇しており、薬剤性肝炎が出現していた。

話を聞くと、医療センター呼吸器科に入院したものの、喀痰検査は入院時に1回実施したのみで、原因菌は見つからなかった。レントゲンでは肺内に空洞が多く、アスペルギルス抗体陽性のことから、真菌感染が原因と考え、入院時は抗真菌剤を2週間点滴され、退院後は真菌剤2種類を服用していた。

しかし、血液検査でのβ‐グルカン値は正常のため、この肺の感染症は細菌によるものと考えられる。また肝障害は真菌剤の副作用だと考え、「即刻真菌剤の服用を中止し、他の呼吸器科に転院して原因菌を調べて、治療してもらうことが必要」と話した。

CRP(4+)、MMP-3 113.5から、リウマチの活動性は多少みられますが、原則的にはリウマチでは白血球の増加はありません。しかし、このケースは白血球が高値(好中球↑)と主訴が咳と痰であることから、肺感染症がメインであると考えられる。

追記:喀痰検査で、緑膿菌(1+)で治療は見送られたようだが、この方はプレドニン2錠と多く服用しており免疫力低下状態であり、弱毒細菌である緑膿菌が、持続的肺感染症の主原因であると私は考えている。

リウマチで受診されたが、違う病気が見つかった!

<58歳・女性>
関節痛が持続し、咳と痰がでるため、リウマチでかかっている整形外科を受診。CRP(6+)、白血球16600と高値のため、主治医から「これはリウマチのせいではない、内科へ行きなさい」と言われた。月1回かかっている呼吸器科を受診し、レントゲンを撮ると、「肺は以前より良くなっていますね」と言われた。しかし、体調も良くないので、「私は何の病気ですか?」と聞くと、「あなたはずっと前から慢性気管支炎です」と言われ、なんの治療もなく帰された。

しかし、2週間経過しても、症状は一向に改善しないため、リウマチだけでも良くなりたいという意識があったのか、県外から当院を受診。

よく聞いてみると、咳と痰が続き、特に夜は痰が多く眠れない、ということが主訴であった。レントゲンを撮ってみたところ、嚢胞性変化が右上肺野と左の全肺野すべてに強くみられた。CRP、白血球の上昇は、肺からの感染症であると思われ、リウマチの主治医に紹介状を書いてもらい、呼吸器科の受診を強く勧めた。

しかし、主治医が紹介状を書かないということで、一度しか来院していないが当院で紹介状を書き、肺の専門医を受診することとなった。

肺の専門医を受診した患者さんは、肺の広範囲に嚢胞性変化で荒廃しているために、緊急入院することとなった。

余談ではあるが、この整形外科では、何年も前からリウマチの治療はプレドニン(5)2Tのみで、抗リウマチ薬は投与していなかった。そのために骨は脆くなり、易感染状態であったと考えられる。また以前には、肺炎になったこともあった。そのうえ、3カ所の人工関節置換術も施行していた。

祖母と曾祖母がリウマチ。自分もリウマチ因子、抗CCP抗体もあるがまだ発症していない。

<44歳・女性>
令和元年、腰痛と右上腕挙上困難となった。祖母と曾祖母がリウマチだったこともあり、診療所を受診。リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性のため、専門病院を紹介された。しかし、両手首、左第4指、右第1、2指PIP関節の腫れがあったのに、持参したデータの活動性が低いためか、検査も治療も説明も一切ないままで終了。

自分もリウマチかどうか知りたいため、当院受診。

調べてみると、リウマチ因子、抗CCP抗体共に陽性だが、リウマチの活動性を表すCRP、MMP-3はほぼ正常のため、リウマチの発症は今はないと判断した。しかし、鉄欠乏性貧血が著明で、貧血による冷えのために、諸症状が起きていると考え、貧血の治療を開始し、リウマチは経過を追っていくことにした。

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について
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