<61歳・女性>
平成29年12月、友人(看護師)から「あなたの手はリウマチかも」と言われ、教えてもらった専門病院を受診した。そこでリウマチと診断され、リウマトレックス4cap/週を処方された。
平成30年3月、身体の怠さ、頭痛、吐き気など出現。主治医に話したところ、「リウマトレックスの副作用が出ましたね」と言われ、2cap/週に減量された。しかし採血した際に、「リウマチが悪化している」と言われ、また4cap/週に戻された。その時、「これで効果がないようなら、ヒュミラ、シンポニー、シムジアなど生物製剤も追加する必要があります」と言われた。
その説明に十分な納得がいかなかったのと、不安が多くなったため、ネットでリウマチのことを調べ、拙著購入。『リウマトレックスは非常にリスクが高い薬である』ということを知った。体調もすぐれないので、当院を受診した。
検査してみると、リウマチ因子も抗CCP抗体もなく、炎症を表すCRPも、滑膜炎を表すMMP-3も全て正常。また、持参された検査データからも、「リウマチと診断された時、リウマチは発症していないし、その後も出現していない」と言うと、非常に驚かれた。
また、指は変形性指関節症で、少し変形が強く、以前かかった先生はリウマチによる変形と勘違いされ、リウマチの治療をずっとされていたのではないかと考えられた。
当院では、全ての薬を中止し、1か月後に検査して副作用がなければ、来院する必要はない旨を伝えた。
専門医に行ったため、リウマチと間違えられ、病気もないのに危険な薬を使用され、さらに高価な治療も加えられそうになった、非常に気の毒な、よくある症例である。