2019年 12月

整形外科でリウマチなのに変形性膝関節症の治療をされていた

<65歳 女性>
約1年前から、膝に水が溜まるようになり、近くのリウマチを専門としている整形外科を受診。そこでは、変形性膝関節症と診断されていた。

7月にその整形外科で血液検査をしたところ、リウマチ因子と抗CCP抗体が異常に高いため、リウマチと即診断が変えられ、さらなる専門医を紹介された。しかし、転医する説明が良く理解できないため、不審に思い、紹介先には行かなかったらしい。

知人の紹介で当院を受診。検査してみると、CRP(1+)、MMP-3は195で、軽度~中等度とリウマチの活動性を認めた。第一選択として、リウマトレックス(3c/週)の投与を開始した。

1ヶ月ごとに採血するも、リウマトレックスの効果はなく、検査結果は改善しないので、4c/週に増やした。

次も効果が出なければ、リウマトレックスのノーレスポンダーで、効かないタイプかもしれないので、治療方針の変更(生物製剤)が必要と考えられる。

抗GAL欠損IgG抗体の存在

大学病院でリウマチではなく膠原病と言われ治療していたが…
<50歳 男性>
5~6年前から、両手首や肩に痛みが出現。近医整形外科を受診。リウマチ因子はなく、プレドニンが処方された。

2年前、良くならないので、リウマチ専門医を受診。そこでもリウマチ因子はなく、膠原病だろうということで、プレドニン5㎎が継続して処方された。

しかし、多関節痛が改善せず、膠原病なので大学病院を紹介された。そこでもリウマチ因子はなく、リウマトレックス4c/週が追加して処方された。

両膝、手首、肩などの多関節痛は改善せず、大学病院でも病名がはっきりしないため、不安になり当院を受診。

持参した検査データをみてみると、MMP-3のみ軽度上昇。CRP(±)のため、リウマチ性多発筋痛症だろうと思われた。しかし検査してみると、リウマチ因子陽性、抗GAL欠損IgG抗体陽性と、リウマチの診断基準を満たしているので、典型的なリウマチと診断。多関節痛はリウマチのためだと判明。

この方の疑問点は、リウマチ因子がずっと無かったのに、今回出現したのは、ステロイドとリウマトレックスが併用されたためではないかと推測される。

リウマチ因子の有無はともかく、もっと以前に抗GAL欠損IgG抗体を調べていれば、当初からリウマチの診断がつき、適切なリウマチの治療が受けられていたということである。

成人スチル病と診断されるまで

大学病院でも無視された!
<45歳 女性>
平成4年頃、急な発熱と身体が動かなくなる症状が出現。近医を受診したところ、病名ははっきりしなかったが、膠原病と想定され、プレドニン(5)3Tを処方され、症状は改善した。

ステロイドが継続して処方された。診断がつかなかったままで不安に思い、平成14年頃大学病院を受診した。そこで、17才発症のため、若年性特発性関節炎ではなく成人スチル病と初めて診断され、プレドニン(5)2T、メソトレキセート(2.5)6c/週に治療を変更された。

平成18年から、さらにレミケードが追加され、ステロイドが10㎎と減量となった。

平成23年頃より、エンブレル(10日に1回の皮下注)と、メトトレキサート(2)3c/週、プログラフ3T /週と治療が変更となった。

しかし、長期にわたる治療も全て効果がなく、体調もすぐれず、自己判断によって注射や内服を止めていた。その頃、主治医からは、エンブレルではなく違う生物製剤を勧められていたのも、中断の一因となった。

その後約3ヶ月通院しなかったが、最初は体調悪くなく調子も良かったが、寒くなると調子が悪くなり、以前に診てもらおうと思っていた当院を受診することとなった。

当院で検査してみると、リウマチ因子、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG 抗体もなかった。

患者さんが15歳までの発症ならば、若年性特発性関節炎と診断がつくだろうが、17才発症なので、成人スチル病と診断されるまで、時間がかかったようだ。

現在は、ステロイドなどを使わない生物製剤で、寛解状態となっている。

リウマチ因子、抗CCP抗体マイナス。MMP-3(滑膜炎)のみ上昇。

リウマチ性多発筋痛症と診断されたのに、リウマチもあると言われ、どちらの治療もうけていた症例
<67歳・男性>
右膝に痛みが出現したため、リウマチ専門医を受診。そこで検査したところ、非常に珍しいリウマチ性多発筋痛症だと診断された。プレドニン(5)3Tで著効を示したため、その後1Tに減量された。その時には、サラゾピリンも併用されている。その後、関節痛が再発したので、主治医は関節エコーをチェック。骨破壊がみられたので、「リウマチもある」ということで、生物製剤アクテムラとリウマトレックスが追加された。アクテムラ皮下注20回の後、痛みが消失し、アクテムラは中止となった。2~3か月の後に、また右膝の関節痛が出現し、歩行困難な状態になった。生物製剤はエンブレルに変更されたが、2週間経過するも、改善されないため当院受診となった。

検査してみると、確かにリウマチ因子、抗CCP抗体ともにマイナスで、MMP-3のみ上昇しているので、リウマチ性多発筋痛症であるには間違いなかったが、右膝の関節液を調べてみると、炎症所見はなく、変形性膝関節症が原因だと思われた。

この患者さんは、リウマチ性多発筋痛症と変形性膝関節症を合併しているのが、正しい診断だと思われる。しかしこのケースは、考えられないリウマチを合併したとして、それぞれの薬が出て治療されている。到底認められない治療である。

実は多い!リウマチ性多発筋痛症

<66歳 女性>
整形外科を受診。検査すると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともにマイナス、MMP-3のみ上昇していたため、大学病院を紹介され、受診するとリウマチと診断された。プレドニン、リウマトレックス、ケアラムを投与され、3か月間治療を継続した。リウマトレックスは毎月1カプセルずつ増量され、近い将来生物製剤での治療が必要だと主治医から言われた。

リウマチと診断され、リウマチの薬で治療をしても効果がある実感がなく、新しい薬の導入への不安もあり、私は本当にリウマチかどうかと思い、セカンドオピニオンで当院受診。

検査すると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともにマイナス、CRPは軽度上昇、MMP-3は高値であったため、リウマチではなくリウマチ性多発筋痛症であることが判明した。

当然、診断も治療も間違っていて、適切でないことを伝えた。

総合病院で病名が告げられないまま、リウマチの治療をされていた

<82歳 女性>
H31.3月より、こわばりが出現、総合病院を受診。病名は告げられないまま、アザルフィジン2T/日、プレドニン(5)/日のリウマチの治療をされていた。しかし、一向に改善しないため、ご家族がインターネット検索して当院を受診。

検査してみると、リウマチ因子、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG抗体全てマイナス。CRP及びMMP-3が軽度上昇。リウマチ性多発筋痛症判明。その後、治療を開始。

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

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