<85歳 女性>
平成28年、草取り中に、下肢のしびれ、膝、股関節に痛みがあり、動ききにくくなる。近医を受診し、血液検査にてリウマチと診断され、プレドニン5㎎/日、メトトレキサート4cap/週を処方され、ときどき肩などに局注を受けていた。
平成29年、主治医が変わったため、生物製剤のアクテムラが追加になった。炎症も関節痛も消失したが、6回目終了後、ふらつきなどの体調不良があった。主治医は、アクテムラの副作用と考えられ中止となった。その後、生物製剤のシンポニー(月1回)に変更された。
「膝から下がカチカチに腫れ変色している」と主治医に伝えると、「プレドニンの副作用だ」と言われた。
知人から、「あまり変形がないので、私と同じように、リウマチがまだ発症していないのではないか」と言われ、当院受診となった。
持参された検査データをみると、炎症所見はあまりみられなかった。レントゲンを撮ってみても、リウマチの変形はほぼみられなかった。抗CCP抗体も、MMP-3も、一度も検査されていなかったが、リウマチ因子は600と高く、前医はリウマチ因子を定期的にはかり、それをメルクマールに治療を継続していたようだ。そのため、85歳と高齢にもかかわらず、使用すべきではないステロイドを処方し、リウマトレックス、シンポニーと、非常にリスクの高い薬も処方されていた。
リスクの高い薬が、必要もないのに処方されていたことは、非常に遺憾である。
炎症がなければすべての薬を中止し、炎症があればアクテムラの治療を再開し、その後、その他の薬は減量~中止する予定である。