その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。
リウマチ因子や抗CCP抗体がともに陽性であっても、本当に治療すべき炎症はあったのか?
今回ご紹介するのは、今の治療に疑問を持つようになり受診された40代女性のケースです。
≪受診前の経過≫
2018年、肩に激痛があったので、近医整形外科を受診。「若いのでリウマチは違うでしょう」と詳しく検査はされなかった。
その後いくつかの整形外科を受診したが、血液検査はされなかった。
基幹病院を受診し、血液検査の結果、今度は初めてリウマチと診断され、リウマチレックスでの薬の治療が開始となった。
基幹病院は遠方だったため、近医に転院。最近になりリウマトレックスは6c/週に増量となった。
どんどん薬の量が増えていくことが怖くなり、今の治療はあっているのか、本当にリウマチなのかと疑問を持つようになった。
そこで知人の紹介もあって、当院受診となった。
≪当院初診時の炎症の有無≫
持参された検査データをみると、
●リウマチ因子(+)、抗CCP抗体(+)、CRP(+)、MMP-3 正常値
当院で詳しく検査してみると、
●リウマチ因子(+)、抗CCP抗体(+)、CRP(2+)、MMP-3 42.5
リウマチの体質があり、治療中ではあるものの炎症所見が認められました。しかし、滑膜炎を表すMMP-3は正常値でした。そのため、今の治療(リウマトレックス)は、CRPを抑える力は十分はないが、MMP-3の上昇は抑えている、ということも考えられました。
初診時の検査データがないため、本当にリウマチが発症していたのか、治療が必要な状態なのか、という疑問は捨てきれませんでした。
そこで、本当にリウマチが発症しているのか、現在の状態を知るために、治療の中止を提案しました。2週間~1カ月治療を中止し、その後の検査で、リウマチの活動性を確認し、治療が必要な状態であれば改めて「治療を始めましょう」と説明させていただきました。
≪その後≫
リウマトレックスを中止し3週間が経過。患者さんからは「痛みが増してきた」という報告がありました。
薬を中止したところ、改めてリウマチの活動性があることがわかり、今までの治療では効果が十分ではなかったと考えられました。
そこで、効果が期待できる生物製剤アクテムラでの治療に変更することを勧めました。すると治療の変更を希望されましたので、アクテムラを開始することにしました。