その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。
炎症反応がなければ、リウマチ因子があっても、全く治療はいらないケース
今回ご紹介するのは、現在リウマチの治療をしている患者さん。私が書いた「リウマチを止める」という本を読み、ひょっとすると「自分はリウマチは一度も起きていないのではないか?」と疑問を持つようになった70代女性のケースです。
≪受診前の経過≫
11年前、右第2指PIP関節が腫れたので形成外科を受診。血液検査でリウマチ因子が高いと指摘され、総合病院へ紹介された。
総合病院リウマチ科(内科)で関節リウマチと診断され、リウマトレックスの治療が開始となった。2年前からは、肝障害が起きたということで、リウマトレックスは中止となり、エンブレル(1回/週)に変更になった。調子が良いため主治医に頼んで、現在は10日ごとに変更してもらった。
それでも調子がよく、私の本を読んで、今までの治療についての説明がなかったことに不安や疑問を感じるようになり受診となった。
≪当院初診時の炎症の有無≫
形成外科での検査データも、総合病院でリウマチと診断された時のデータもどちらもなく、患者さんも検査の結果は全く覚えていないということでした。
そのために、次のような疑問が浮かんできました。
①初めから炎症があったのかどうか
②リウマチ因子が高いだけで、炎症もないのに見切り発車的にリウマトレックスが出たのではないか
③リウマトレックスやエンブレルの必要性はあったのかどうか
この患者さんは変形などはなく、本当にリウマチが起きていたのかどうか大いに疑われました。
この疑問を解くためには、形成外科や総合病院の初診時の検査データがあればわかるということをお話ししました。するとデータをもらいに行かれるとのことでした。
11年も前ですから、データがあるのかどうかは不明です。
しかし2年前に、リウマトレックスからエンブレルに変更になった時のデータはあるはずです。
いずれも入手できなかった場合、現在は調子が良いということですので、1ヶ月ほど薬を止めて、その後血液検査でリウマチの活動性を確認しましょう。炎症があれば活動性があるということなので、その時には治療が必要になります、と説明しました。