その他の疾患

全く理解されていない、リウマトイド血管炎!合併症が、それぞれの専門科の病気として治療されている実態。

今回ご紹介するのは、リウマトイド血管炎を合併した患者さんのケースです。

関節リウマチでアクテムラでの治療をしている患者さん。
下肢の皮膚に潰瘍ができたということで、皮膚科を受診されたそうです。抗生剤を服用して2週間ほど経過するのに、なかなか治らないということでしたので、”リウマトイド血管炎”が疑われました。
血液検査をすると、血清補体価、C3、C4すべてが低値でしたので、関節リウマチに伴って現れる血管炎”リウマトイド血管炎”であることが判明しました。
そこで、プレドニン(5)2T/日を開始。しかし改善はみられず、4T/日に増量。
それでも改善しないため危機を感じ、”リウマトイド血管炎”である旨を詳細に記し、大学病院に紹介しました。
この時、ステロイドでリウマチの活動性は十分抑えられるので、アクテムラは中止としました。
大学病院を受診された患者さんの話では、「壊疽性膿皮症」の可能性があると言われ、プレドニンは5T/日になったということでした。
それでも効果が見られなければ、プレドニンを6T/日に増量、ヒュミラを追加することを勧められたということでした。
当院で検査してみると、プレドニン5T/日で効果があるようで、免疫複合体・血清補体価・C3・C4はすべて正常値となり、血管炎は消失したものと思われました。
血液検査では血管炎は消失しても、皮膚症状の改善はすぐには現れず、数か月後の完治となりました。

リウマトイド血管炎は、先にも述べましたが、関節リウマチに伴って現れる血管炎のことを言います。そのため、この患者さんは、リウマトイド血管炎であることは明白です。
しかし皮膚科にかかると、皮膚病変だけに着目され、皮膚科の病気になってしまいます。
補体や免疫複合体をチェックすることで、リウマトイド血管炎であることはわかるはずですが、そのことは理解してもらえないのです。

これよりも前にも、心膜炎を合併した患者さんや、胸膜炎を合併した患者さんがいらっしゃいました。その患者さんたちも、リウマトイド血管炎であることが理解されず、循環器科や呼吸器科でまず感染症でなないかと疑われ、抗生剤を投与されたりして、原因不明の心膜炎、原因不明の胸膜炎と処置され、治癒までは長い期間がかかったようです。
まさかリウマチの合併症である血管で起きているとは、夢にも思われていないのが現実です。

リウマトイド血管炎は、様々な箇所に症状が出ます。
いかなる症状でも、関節リウマチがあるのであれば、それはリウマトイド血管炎の可能性が高いのです。
これを機会に、リウマトイド血管炎についてもっと知って欲しいと思い、紹介させていただきました。





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執筆者プロフィール

篠原 佳年(しのはら よしとし)

1950年生まれ、徳島県池田町出身。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。
膠原病、主に関節リウマチを専門としている。一早く生物学的製剤アクテムラを導入し、全国から多くの方が来院。現在まで約700例の実績。

その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。




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