今回ご紹介するのは、リウマチと診断され10年治療を続けられてきたという、50代女性のケースです。
受診前の経過
2012年3月、右手指の腫れと痛みが出現したため、整形外科を受診。
血液検査の結果、炎症もないのに、リウマチ因子と抗CCP抗体が陽性のためリウマチと診断され、メトレートが開始となり、その後レミケードが追加となった。
しかし症状は改善せず、アクテムラでの治療に変更となったが、効果は感じられず、その後シンポニーやナノゾラなど治療薬を変更されたが、あまり変わらなかった。
現在は、メトトレキサートとリンヴォックを服用。
最近肝臓の数値が上昇してきているため、主治医に相談したところ、「副作用だが100ぐらいまでは大丈夫」と言われた。
主治医の言葉には納得できず、今の治療が本当にあっているのか、ネットで検索し、当院受診となった。
当院初診時の炎症の有無
患者さんは、治療期間中の検査データをすべて持参されていました。その中から初診時の検査データをみると、
リウマチ因子(+)、抗CCP抗体(+)、抗核抗体(+)、CRP 0.13
リウマチの体質は持たれていますが、炎症は全くありませんでした。この時、リウマチは発症していなかったにもかかわらず、治療が開始されたようでした。
また、アクテムラ治療への変更時と直近のデータをみても、いずれも炎症所見はありませんでした。
CRPやMMP-3の上昇がなく炎症所見は全くないのに、患者さんからの腫れや痛みの訴えだけで、アクテムラやシンポニーなど次々と治療薬が変更になったようでした。
患者さんの手首をレントゲンでみると、変形がみられました。また両第1指は手術を受けたということで、長い治療期間中のどこかでリウマチが発症し、手指や手首が変形してしまったのではないかと推察されました。
患者さんは、主治医から「一生、メトレートとリンヴォックは止めれらない」といつも言われていたので、暗示がかかっているのか、薬を中止することにはひどく否定的でした。それで、すぐに中止しても、2つの薬には習慣性、依存性がないので反動が来ないことを説明しました。
薬を止めて2週間後、再度検査をして、リウマチの活動性があるのかどうかを確認し、活動性が認められた時には、アクテムラの治療をすれば、問題がないことを話しました。



