リウマチ治療中の方へ

◆アクテムラの治療中で白血球が減少するわけ◆

アクテムラが注射されると、当然異物なので、免疫系が敵だと認識して戦闘態勢をとります。
白血球の中でも、細菌と戦う好中球は、唯一血管を透過できる特性があるので、約半数近くが血管壁に付着して、いつでも出て戦える準備をしています。
その一方、リンパ球や好酸球は血管を通過できないので、血管内で戦闘態勢をとっています。
このような事から、実際には存在しているのに、採血しても好中球の多くは採取できないということになります。そのため、付着している好中球はカウントされず、見かけ上は『白血球減少症』ということになります。(低い方では1000~3000まで減少)
しかし、実際には血管壁に付着しているだけなので、免疫機能は正常に働いています。アクテムラの効果が切れると(濃度が下がると)、血管内に戻り正常値になります。

これがアクテムラでの治療中に『白血球減少症』がみられる原因です。
このことが理解できたいないために、ある先生には白血病と間違えられ、骨髄穿刺までされてしまった、というケースがありました。またある先生には、免疫が低下していると思われて、薬を変更されてしまった、というケースもありました。
このような事もあり、患者さんにはこのことをしっかりと伝えています。

もう一度言いますが、白血球は『見かけ上減少しているだけ』なので、免疫が低下しているわけではありません。通常と同じ状態である、ということを知っておいてほしいと思っています。





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