その他の質問

セレコキシブやロキソニンは採血前に服用するとCRPは下げてしまうのでしょうか?

質問

<40代・男性>

リウマチ疑いで診察を受けています。
両側の手首がいたく、整形外科でリウマチ疑いと言われました。
初診時はCRPのみ検査をし、0.5でした。
セレコキシブをもらい、2週間後に再受診。
採血の6時間前に手首が痛かったので、セレコキシブを服用してしまいました。
採血の結果はCRP0.2でした。
抗CCPの検査結果は来週です。
セレコキシブが消炎鎮痛剤だったため、CRPが下がっていたのでしょうか?
担当医は、消炎鎮痛剤の消炎効果だけでは下がらないのではと言っていました。
CRPが下がったと少し嬉しかったのですが、セレコキシブやロキソニンは採血前に服用するとCRPは下げてしまうのでしょうか?

回答

リウマチを疑った場合、初診時にCRPだけを調べることは通常はありません。
リウマチ因子、抗CCP抗体、CRP、MMP-3を調べると、リウマチかどうか、リウマチの活動性があるかどうか、が判断できます。

セレコキシブやロキソニンなどは消炎鎮痛剤で、痛みを止めることはできますが、私の経験的には、CRPを下げるほどの効果はないと考えます。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

手首の痛みや指の腫れを抑える解決策や治療法はあるのでしょうか?

質問

<50代・女性>
リウマチ歴15年です。
メトトレキサートとフォリアミン3年目で右小指変形。
4年目で右中指変形、全身の痛みで寝返りも難しい状態でした。
セカンドオピニオンにいき、エンブレルとメトトレキサートを勧められて日常生活が普通にできるようになり、10年ほど週1でエタネルセプトを打ってますが、一年ほど前から数本の指の変形がすすみ、指の腫れと痛み右手首の骨は、痛みを訴えてもレントゲンも取らぬまま長年放置で完全にかたまってました。
今右手首の激痛と指の痛みに耐えながら、理容師をしていますが、仕事も困難になってきました。
手首の痛みや指の腫れを抑える解決策や治療法はあるのでしょうか?

回答

治療をされていることは理解できました。
検査データがあれば、治療がうまくいっているのかどうか、指の腫れや手首の痛みは炎症によるものなのか、などがわかります。
お持ちの検査データをお送りいただければ、ご説明ができるかと思います。
よろしければ、お持ちの検査データをお送りください。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

リウマチ性多発筋痛症で治療中…我慢できない睡魔に襲われ、困っています

質問

<70代・女性>
令和2年3月にリウマチではないが、リウマチ性多発筋痛症と診断されました。
その時は、寝返りもできないほどの全身の痛みがあり、CRP13でプレドニンを20グラム服用し、即座に痛みはなくなりました。
プレドニンも徐々に減り、1年後に1グラムに、というときに再発し、最初の20グラムに戻りました。
以来徐々に減り、現在は3年程1日1.5グラムのプレドニンと整腸剤、血圧の薬、骨粗鬆症の薬を服用しています。
日常的には問題なく、他からは病人には見えませんが、午前9時頃と午後2時頃に、我慢できない睡魔に襲われ、困っています。
午後三時過ぎになると、全く頭もはっきりして元通りの自分があり、1日が2つに分かれています!
今後もこのまま続くのでしょうか?

回答

現在プレドニンを1.5g服用されている、と書かれておりますが、おそらく1.5㎎だと思われますが、お間違いではないでしょうか。
1㎎や2㎎はありますが、1.5㎎という量はありませんので、ご確認いただければと思います。

リウマチ性多発筋痛症は、高齢の女性に多くみられますが、十分治療がなされれば、完治までする病気です。
あなたは、プレドニンを減量するタイミングが合わなかったために、再発という形になったのではないかと思われます。
プレドニン1~2㎎で痛みがないのであれば、リウマチ性多発筋痛症は完治ししている可能性も考えられます。
その場合、プレドニンを服用したために血圧が上がったのなら、血圧などの薬は必要ないと思われます。

血圧が高くない方が血圧の薬を服用して、効きすぎて、めまいや頭痛などが起こることがあります。
少し体調が悪い時に、血圧を測ってみてはいかがでしょうか。

もし完治していれば、プレドニン1~2㎎を服用しただけでも交感神経優位になります。
3㎎以下であれば、中止することも可能だと思われます。

検査データをお持ちでしたら、詳しくご説明ができるかと思いますので、お送りいただければと思います。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

「ひどい炎症」が招いた『心筋梗塞』 

知人からのSOS

<50代 男性>
1ヶ月ちょっと前から、顔面に皮膚炎と思われる硬結が出現。だんだん悪くなり、いくつかの皮膚科や内科にかかっても原因がわからず悪化してきたため、総合病院の皮膚科に紹介され入院。抗生剤の点滴治療を受けるも、さらに悪化してきて、顎の下まで硬結が拡がってきた。そのため口を開けることもできなくなり、食事も摂れなくなってきている。そのうえ検査データもひどく悪くなってきていることを担当医から聞き、不安となり私に連絡がありました。
まず血液検査のデータを送ってください、ともらったのがこちらです。
◆検査データ
このデータを見ていかがでしょうか。。
これから読み取れることは、
①炎症CRPが非常に高いです。CRPは27とみたことがないくらい非常に高いです。
②白血球が14900と高値です。その大半を好中球が占めています。LDHも279と上昇していますので、まずは細菌性の感染症が疑われます。
➂貧血がみられます。奇形赤血球・血小板大小不同ということですので、身体が造血を急いでいることがわかります。
④肝機能障害がおきています。これは1週間抗生剤を数種類投与されたことによる副作用でしょう。

私はこの検査データを見て、すでにひどい低アルブミン血症がおきているのではないかと考えました。CRPが発生すると、肝臓ではアルブミンの合成ができなくなります。アルブミン値が3.5g/dl以下になると、血管内の血漿浸透圧が保てなくなり、血管内の物質が血管外に出るため、浮腫が全身におこり始めます。そのため、このままでは数日以内に、うっ血性心不全がおこり、呼吸や循環の管理が必要な状態となり、大学病院のICUでなければ救命できないと、直感しました。そのため、大学病院に転院できるよう手配しました。

実際この5日後、やっと大学病院の内科に転院できることになりました。しかしその時には、心筋梗塞で心停止に近い状態だったため、ICUにすぐに搬送されました。そして、間一髪カテーテル治療で一命をとりとめた、ということでした。これは、うっ血性心不全が進行し急性心不全となり心筋梗塞を発症したと思われます。
その後、炎症を止める治療がうまくいき、3週間後退院となりました。知人は、2カ月で13kgも痩せ、今後は1カ月の後に、皮膚の修復のための移植手術があるとのことでした。

 

入院して状態がだんだん悪くなる奥さんを心配して…その後

その後

以前送ってこられた血液検査のデータをみて、
1.鉄欠乏性貧血とその治療(鉄剤の投与)
2.低アルブミン血症(炎症を止める)
3.血糖コントロール不良
4.リウマチ性多発筋痛症の有無を指摘しました。
その後、まだ調子が良くないということで、総合病院に転院すると連絡があり、最新の検査データを送ってこられました。この間、貧血の治療とプレドニンの減量をされたようでした。
●Hb 9.8↓、フェリチン 841.7↑、血清鉄 257↑
●リウマチ因子(-)、抗CCP抗体(-)、抗G欠損IgG抗体(-)
●CRP 1.0↑、MMP-3 77.1↑
まず、鉄欠乏性貧血についてです。
フェリチンと血清鉄は高値です。以前はフェリチンが調べられていなかったので、鉄欠乏性貧血のため鉄剤の投与が必要だと思われました。しかし、今回の検査で貯蔵鉄は十分にあることがわかりましたので、鉄の利用障害による鉄欠乏性貧血だということがわかりました。そのため、鉄剤の投与は即刻中止し、鉄の利用障害の原因と思われる炎症を止めることが必要です。
リウマチ性多発筋痛症という診断は正しいのか疑わしい状況でしたが、リウマチ因子、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG抗体すべてマイナスですので、最初の診断のとおり、リウマチ性多発筋痛症であるようです。
そして、プレドニンを減量したと思われ、CRPとMMP-3が上昇していて、リウマチ性多発筋痛症の活動性が出てきたと思われます。この炎症がすべての原因で、貧血や低アルブミン血症が起きていると思われます。炎症がなくなるようにステロイドを増量すれば、貧血も低アルブミン血症も改善に向かうと思われます。
炎症がなくなれば、HbやALBは改善に向かうと考えます。プレドニンを増量することで、血糖のコントロールが難しくなります。これは、転院先の糖尿病の専門医によるインシュリンの治療が必要になってくると思われます。
そうすれば、現状は打破できるのではないか、と私は思っています。

入院して状態がだんだん悪化する奥さんを心配して・・電話相談

質問

高齢(80代)男性。今の病院に入院中の奥さん(81)の状態がだんだん悪くなってきているようなので診て欲しい、と連絡がありました。当院に初診受付をしていたが、動けないので退院させてもらえなかった。そのため検査データと紹介状(前医、現担当医)を送ってこられ、電話相談となりました。

送られてきた検査データは、次のとおりです。

検査項目 結果値 基準値
ALB(BCP)  2.4   g/dl 4.1~5.1 以下
白血球数  6.8   千/µL 3.5~9.1 以下
赤血球数  376    千/µL 376~500 以下
血色素量  8.7   g/dl 11.3~15.2 以下
ヘマトクリット  29.0    % 33.4~44.9 以下
MCV  77     fL 79~100 以下
MCH  23.1    pg 26.3~34.3 以下
MCH  30.0    % 30.7~36.6 以下
血小板数  30.4    万/µL 13.0~36.9 以下
好中球  77.0    % 40.0~74.0 以下
好酸球  1.6      % 0.0~6.0 以下
好塩基球  0.6      % 0.0~2.0 以下
リンパ球  14.9    % 18.0~59.0 以下
 単球  5.9      % 0.0~8.0 以下
AST(GOT)  11     U/L 10~40 以下
ALT(GPT)  12     U/L 5~40 以下
アミラーゼ(AMY)  82     U/L 37~125 以下
総ビリルビン  0.3      ㎎/dl 0.3~1.2 以下
総蛋白(TP)  5.2      g/dl 6.7~8.3 以下
A/G比  0.8 1.1~2.1 以下
尿素窒素(BUN)  19    ㎎/dl 8~22 以下
クレアチニン  0.32   ㎎/dl 0.47~0.79 以下
eGFR  141.3   mL/min/1.73㎡
ナトリウム(Na)  139    mEq/L 136~147 以下
カリウム(K)  3.9   mEq/L 3.6~5.0 以下
クロール(Cl)  98    mEq/L 98~109 以下
血糖  193    mg/dl 70~109 以下
HbA1c  9.1   % 4.6~6.2 以下
CRP  0.4   mg/dl 0.3 以下

回答

―検査データと紹介状からみるとー
◆典型的な鉄欠乏性貧血はどうして?
ヘモグロビン:Hb(血色素量)が8.7と極端に低値です。年齢からみると、老人性の貧血が考えられます。しかし、驚いたことにMCV 77(小球性)、MCHC 30.0(低色素性)ですので、小球性低色素性の典型的な鉄欠乏性貧血です。
原因として<どこかで出血している><悪性腫瘍のようなものが存在する><極端に栄養状態が悪い>などが考えられます。どこかで出血しているかどうかは、網状赤血球を調べるとわかりますが、ここでは調べられていません。
原因は不明ですが、貧血の治療がすぐに必要な状態です。
治療ですが、鉄の内服は、元々ある粘膜障害のために胃からの吸収ができにくくなります。また貧血の程度が重度なので、静注投与(フェジン2A)が15回程度必要です。

◆低アルブミン血症はなぜ?
アルブミン(ALB)が2.4と低値で、低アルブミン血症の状態です。低アルブミン血症は、腎機能や心機能の低下、炎症があるときに現れます。アルブミンが3.5g/dl以下になると、血漿浸透圧が維持できないため、血液中の成分が漏れてしまい、体中が浮腫み、心臓により負担がかかり心不全がおこりやすくなります。
しかしこの方の腎機能(クレアチニン)は悪くないので、心臓の方も良いと思われます。また炎症(CRP 0.4)もないのでⅽ、出血もなければ栄養失調障害でも起きているのでしょうか。

◆(Ⅱ型)糖尿病
HbA1ⅽ 9.1、血糖 193で、糖尿病の治療がうまくいっていません。
元々糖尿病があったところに、リウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニンを20㎎も投与されました。そして糖尿病がさらに悪化したため、糖尿病薬3種とインシュリンも処方されています。今の状況からすると、全くコントロール不良で、高血糖と低血糖を繰り返しているために、食事が十分吸収できず、体調もひどく悪くなっているのではないかと推測されます。

◆本当にリウマチ性多発筋痛症?
この方は、痛みがあるということで前医を受診。鎮痛剤では全く効果がなかったため、プレドニン20㎎を投与された。すると痛みが消失したので、リウマチ性多発筋痛症と診断されたようです。その後糖尿病の悪化が判明したため、プレドニンは徐々に減量していった。しかし約3か月後、プレドニンの副作用とも考えられる胸椎圧迫骨折が出現。その後も減量は継続していたが、途中でリハビリ目的のため転院となりました。(プレドニン9㎎)
前医からの紹介状には、4週ごとに1㎎ずつ減量の指示がありました。内科の担当医は、リウマチ性多発筋痛症の経験がないため、前医の指示のとおりに減量していたようです。(相談時プレドニン8㎎)
しかしその後、リウマチ性多発筋痛症に関しての検査はしていないようなので、リウマチ性多発筋痛症という診断もはっきりしません。そして、今はCRP 0.4で炎症はほぼありませんので、プレドニンが減量できると思われます。ましてや糖尿病が悪化している状態ですので、早急にプレドニンを減量~中止する必要があります。

相談者であるご主人は、奥さんを退院させるので診て欲しいということでしたが、当院には入院設備がないためお断りしました。すると、「近くで入院できる病院を紹介してほしい」「無理なら紹介状を書いてほしい」ということでした。奥さんのことを診ていないので、当然紹介状は書けません。しかしご主人からの強い依頼もあったので、主治医(整形外科)に連絡をとったところ、糖尿病のこともあるということで、内科の担当医に現状の病態の改善についてアドバイスさせてもらいました。

1.リウマチ性多発筋痛症の診断が正しいのかどうか?
2.プレドニンの減量を早急に(あまりに多い糖尿病薬)
3.鉄剤の投与:経口薬ではなく、静注の方がより効果的
(生食20㎖+フェジン2A(静注)を15回ぐらいが必要)

 

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について

交通アクセス

わいわいクリニック 外観写真

〒710-0133 岡山県倉敷市藤戸町藤戸2-10
TEL / 086-428-8525
受付時間 / 8:30~11:00 14:00~17:00(土曜 13:30~15:00)
休診日 / 木曜・日曜・祝日

診療時間
9:00~12:00 休診休診
14:30~17:30 休診休診

☆印の土曜日午後は 14:00~16:00 外来(相談)

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