①リウマチが発症していないのにリウマトレックスを使うと、発症を早めてしまうだけでなく、副作用のリスクだけが大
『リウマチの活動性がなく、発症していないところに、免疫抑制剤のリウマトレックスを服用したことで、本当にリウマチが発症してしまうことがあります。
その発症していること自体も、リウマトレックスを服用しているために、隠れてしまっていることがあります。』
そのため、本当にリウマチが発症しているのか、治療が必要な状態なのか、を確認するためには、リウマトレックスの服用を中止し、1か月後に検査をすることが必要です。
この時に、CRPとMMP-3が正常ならば、リウマチの発症はないということですので、治療は必要ありません。
CRPとMMP-3が上昇していれば、リウマトレックスを服用したために、リウマチが本当に発症し、治療が必要な状態である、ということになります。
②がんを経験した人が、リウマチの治療にリウマトレックスを使うのは良くない
リウマチの患者さんの中には、がんの手術を受けた方がいます。その患者さんに、がんの予防にもなるからということで、リウマトレックスを投与するドクターがいます。
リウマトレックスは毎日服用すれば抗がん剤に、週に1回服用すれば免疫抑制剤ですので、がんの予防というよりも、がんの再発やリウマチの発症を早めてしまうことがあるのです。
③リウマチの発症を予防するために、少量のリウマトレックスの投与は効果なし、むしろ副作用のリスク大
リウマチを発症していない患者さんに、予防になるからという理由で、リウマトレックスを少ない量(通常の半分~1/3)使ってみましょう、と投与しているドクターがいます。これは、もとは抗がん剤なので、リウマチの発症を早めたり、免疫力を弱めたりする、命がけでリスクしかない間違った使い方です。
人は、60兆ある細胞のうち、寝ている間に1兆の細胞が入れ替わります(細胞分裂)。1兆の細胞の9割は免疫細胞です。細胞分裂するためには、葉酸が必要となりますが、リウマトレックスは、その葉酸の働きをブロックし、細胞分裂を止め、免疫細胞の生成を止めます。リウマトレックスを服用することで、免疫細胞(リウマチを起こすリウマチ因子や抗CCP抗体)の生成を止めます。
このような薬を、まだリウマチが発症していない人(健康な人)に投与するということは、1週間のうち1日、細胞分裂が止まり、新しい細胞ができないということです。これは、特に体が弱い人にとっては、ダメージが大きく、堪え切れることではありません。
「リウマチだろう」「リウマチかも」と言って、簡単に出すような薬ではないのです。
このように、リウマトレックスの性質も、リウマトレックスの使い方も理解していないドクターが、あまりにも多いため、繰り返し伝えているのです。