患者さんからよく質問される薬の副作用についてまとめてみました。
PSL
プレドニンなどステロイド剤はリウマチ治療に使わないことになっています。
なぜなら、関節リウマチは骨粗鬆症を起こしやすい病気です。そこにステロイド剤を投与すると、さらに骨粗鬆症を悪化させ、骨を脆くしてしまいます。
このように骨への影響が大きく、変形を早めてしまうのです。
また15年前からは、リウマチはよくなる時代になっているので、ステロイド剤の投与は不必要です。
それでも大学病院を含む多くの病院では、今もなおステロイド剤を使うドクターが多くみられます。
ステロイド剤にはリスクしかありません。骨破壊、胃潰瘍、高血圧、糖尿病、眼圧上昇、感染症など副作用が多いだけでなく、服用の中止が非常に困難なのです。
ステロイド剤は、関節リウマチにはリスク以外ありません。。
MTX
リウマトレックスは、世界中で関節リウマチ治療のfirst choiceで一番使われている、元々はメトトレキサートという抗ガン剤です。毎日使えば抗ガン作用、週に一回使えば免疫抑制剤です。
この薬は、効く人もいれば、効かない人(ノンレスポンダー)もいます。効かない人にいくら投与しても効果はありません。また副作用の出やすい薬であるため、飲めない人もいます。
免疫抑制剤として使えば、もちろんご自身の免疫力は低下し、感染症やガンなどリスクが高くなります。
関節リウマチは間質性肺炎を合併することがあります。MTXもまた、副作用で高率に間質性肺炎がおこるため、できれば使用すべきでないと私は思っています。
過去にはMTXの認可後5年の間に、何百人という方が間質性肺炎でお亡くなりになったという報道もありました。しかし、MTXがよく効いているという人たちが多いのも事実です。
MTXはリウマチ因子の産生を抑えると共に、免疫力を低下させます。そのために、感染症などのリスクが高くなります。
リウマチ因子などが陽性だが、リウマチの活動性がない方に「今のうちに予防しましょう」とMTXを投与するドクターがいますが、これは間違っています。まだ発症していないということは、自分の免疫力で発症を抑えているということです。しかしそこにMTXを投与したことで、免疫力を低下させ、リウマチの発症が早まった、というとても残念なケースを何人もみてきました。リウマチ治療に予防なんてないのです。
MTXはリスクが高く危険な薬です。簡単に投与するのではなく、十分に理解し細心の注意を払い、患者さんにも十分な説明をすべき劇薬なのです。