手指の痛みもあり、リウマチの体質が半分あるので??薬をだせると言われました。リウマチなら早い治療が良いですか?

質問

<30代・女性>
リウマトイド因子(+)、抗CCP抗体(-)、抗核抗体(+)、CRP 0.02、CH50 45.8

この2ヶ月位腱鞘炎の症状が出ています。
今年は引っ越しもあり、現在産後10ヵ月で最近卒乳したりいろいろな変化がありました。
引っ越しの際重いものを持ってしまい、整形外科に行ったところ、腱鞘炎と診断されました。

なのですが、1ヵ月ほど前から、足首や足の指の付け根に赤みと痛みが発症するようになりました。
すべての指の関節を動かすと何かが擦れているような感触がします。
一旦おかしいと思ってリウマチ科に受診したところ、リウマチの体質が半分あることがわかりました。
データは写真のものです。

今通っているリウマチの先生曰く、リウマチの体質が半分あるのと、関節の痛みがあると言うことで、リウマチの方に処方するお薬の1つ手前の免疫調整剤を処方することもできると言うふうに言われました。

仕事は音楽教師でピアノを使う仕事なので、もしリウマチであったら早めに判断しなければいけないと言うふうに感じています。
これからのキャリアと育児に関して手をいっぱい使うことになるので、関節が擦れたり、症状が悪化してほしくないので早めに判断したほうがいいのかなと考えています。

しかし、これから赤ちゃん2人目の妊娠も考えたいと思っているので、お薬を始めるとタイミング的に合わないのかと言うことも心配しています。先生はどう思われますか?

回答

検査データを拝見したところ、
抗CCP抗体は陰性ですが、リウマチ因子が陽性ですので、リウマチの体質をもたれています。
抗核抗体も陽性ですので、膠原病の体質も持たれていることがわかりました。

リウマチの活動性(炎症)があるかどうかは、治療が必要かどうかは、
全身の炎症を表すCRP と 滑膜炎を表すMMP-3 を調べます。
滑膜炎を表すMMP-3は調べられていませんが、あなたのCRPは(-)ですので、リウマチの活動性はないと考えられます
また膠原病の体質をもたれているので、その活動性を調べるためには、血清補体価CH50を調べます。
あなたのCH50は正常値ですので、膠原病も活動性はありません

今は、リウマチも他の膠原病もおきていませんので、治療は全く必要ありません。
あなたに今ある症状には、リウマチは一切関わっていません

リウマチの治療は炎症を抑えることです。
抑える炎症がないのに、早期発見早期治療と言って治療を始めてしまうと、
命がけでリスクだけが大きく、またリウマチの発症を早めてしまう可能性があります。

妊娠を希望されているということですが、今リウマチは発症していませんので、妊娠は可能です。
もしリウマチを発症したとしても、妊娠すると胎児を守るため、リウマチの活動性は止まり、出産するまでは治療の必要がなくなるケースがほとんどです。
しかし、妊娠する前にリウマチが発症することもありますので、その時には妊娠しても安全な薬(例えばエンブレルなど)を使用することを勧めます。

あなたは、リウマチの体質をもたれていますので、
今後リウマチが発症する可能性はあります。微熱が出たり、こわばりや関節痛がひどくなった時には検査をし、全身の炎症を表すCRPと、滑膜炎を表すMMP-3が同時に上昇した時は、リウマチの治療が必要になります。
その時にご相談いただければ、アドバイスができるかと思います。

どこの病院に行かれてみても、リウマチの体質があるだけで、治療を始めてしまうドクターが多くいます。
そのため、患者さん自身が、『リウマチは炎症がなければ(CRPとMMP-3が共に上昇していなければ)、治療は必要ない』ということを、理解していくことが必要です

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます。





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執筆者プロフィール

篠原 佳年(しのはら よしとし)

1950年生まれ、徳島県池田町出身。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。
膠原病、主に関節リウマチを専門としている。一早く生物学的製剤アクテムラを導入し、全国から多くの方が来院。現在まで約700例の実績。

その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。



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