質問
<10代 女性>
14才(中学2年生)女子のことでご相談です。①
右足の甲、右手首に骨髄浮腫を起こし、「若年性特発性関節炎」だろうとのことで、週1回のメトトレキサート(3錠)と毎朝のイブプロフェンが処方されました。2/3に造影剤を入れた足のMRIと前回の血液検査の結果を見て「若年性特発性関節炎の少関節型か分類不能型」との診断で、メトトレキサートが4錠になりました。
外傷がきっかけでリウマチを発症することもあるのかもしれませんが、なんだか違和感を感じて色々調べていて先生のクリニックに辿り着きました。RF(30)と抗CCP抗体(97.0)は高いですが、CRP(0.14)とMMP-3(54.7)は正常の範囲内です。メトトレキサートはまだ2回ですが足の痛みは良くなる気配はまだなく、主治医は早めに生物学的製剤に移行するというようなことを言っており、もしリウマチが原因の炎症ではないならリウマチの薬では治らずどんどん薬が強くなるのではないかと不安でたまりません。
歩くのも痛いため、毎日学校に送り迎えをするために仕事を調整するのにも限界があり、体育も部活もろくに参加できず、本当にかわいそうだし困っています。私としては足にもステロイドの注射を打って炎症を抑えてもらえば痛みも減って少しは生活の質も上がるし、リウマチの薬を飲むにしても少なめで済むのではないか、などと素人考えで思ってしまいます。
回答
リウマチ因子(+)、抗CCP抗体(+)ですので、
病名としては若年性特発性関節炎の小関節型かもしれません。
しかし、CRP 0.14、MMP-3 54.7 と炎症所見がなく活動性がありませんので、治療は全く必要ないと考えます。
関節リウマチにしても、若年性特発性関節炎にしても、炎症があって、初めて治療が必要になります。
お子さんの場合、炎症がなく発症していないと思われます。
そのため、この病気に対しての治療は必要ないと私は考えます。
メトトレキサートを2回服用されたとのことですが、効果が現れるのは4回服用した後だと考えます。
今の炎症のない検査データからは、メトトレキサートの効果があったとは考えにくいです。
また、今は、自分の力で発症を抑えている状態です。
しかし、メトトレキサートなど免疫抑制剤の服用を継続すると、発症を抑えている自分の力が抑えられてしまい、逆に発症を早めてしまう可能性がありますので、服用するべきではありません。
ただ体質をもたれていますので、いつか発症する可能性はありますが、それを予防することは現代の医学ではできません。
発症した時に初めて治療の対象となります。
もう一度お伝えしますが、炎症がなければ治療の必要はありません。
生物学的製剤への移行についてですが、生物学的製剤は炎症を抑える薬です。要するにCRPを下げる薬です。
今は炎症(CRP)がありませんので、使う意味が全くありません。
今の症状は、若年性特発性関節炎とは関わっていないと考えられます。
リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます