リウマチ因子・CRPは共に正常値であるが滑膜炎が認められたので…との理由で診断を受けたことに納得出来ておりません。

質問

<50代 女性> RF(-)、抗CCP抗体(-)、CRP 0.02
3年前、右膝の腫れと痛みで整形外科を受診し、数回のアルツディスポ関節注・キシロカイン注で良くなりました。
その後しばらくすると今度は左膝に腫れと強い痛みが生じて歩行困難となったため総合病院の整形外科を受診し、水を抜いてもらってセレコックス錠とケトプロフェンテープで様子を見ていましたが著しい改善が見られなかったため同院内のリウマチ内科を紹介していただきました。そこで、血液検査でのリウマチ因子は陰性であるが、MRI画像からは膝の滑膜炎症状が見受けられたとのことで「リウマチ」との診断を受け、メトトレキサート・サラゾスルファピリジン腸溶錠での治療を開始したのですが副作用(強い嘔気)のためメトジェクト皮下注に変更するも酷い口内炎が続いたためアクテムラに変更して現在も治療を続けております。
初期治療開始後1~2か月で腫れと歩行困難なほどの痛みは軽減しましたが、その後も(我慢できる程度ではありますが)左膝とその周辺の痛み・違和感は現在も続いており、薬が効いているという実感がありません。
いろいろ調べておりますと「リウマチは、朝起きた時のこわばりや痛みが一番強い」
「薬を始めると速やかに炎症が治まり痛みも軽減していく」などの情報が出てきますが、私の場合は朝が一番軽くて昼・夜にかけて立っている時間が増えるほど痛みも増してきているのが現状です。(手指など膝以外の関節症状は無く、体が熱を持っている感覚なども一切ありません)
そのため(先生が仰っておられるMMP-3値は調べてもらっていないようで不明ですが)、リウマチ因子・CRPは共に正常値であるが滑膜炎が認められたので…との理由で診断を受けたことに納得出来ておりません。本当にアクテムラでの治療が必要であるのか?不安が払拭出来ずご相談させていただきました。

回答

当院での治療は、全身の炎症を表すCRPと関節の炎症を表すMMP-3が同時に上昇した時のみ、リウマチの活動性があるということで、治療の対象にしています。
しかし、血液検査には異常がなく、リウマチの可能性がなくても、痛みがあるからと、関節エコーなどの結果でリウマチと診断され、治療をされている方が多く来院されます。

まず【リウマチの体質の有無】
検査データを拝見すると、抗GAL欠損IgG抗体は調べられていませんが、リウマチ因子も抗CCP抗体も陰性ですので、おそらくリウマチの体質は持たれていないと思われます。

【炎症の有無】
3年前(2023年11月)のデータをみると、関節の炎症を表すMMP-3は調べられていませんが、全身の炎症を表すCRPは0.02と正常値です。
その他の検査データと併せてみても、炎症所見は全くないと思われます。
MRIでの滑膜炎が正しいとすれば、血液検査でMMP-3が上昇しますので、あるとすれば、血清反応陰性関節リウマチの可能性も考えられます。
図の通り、慢性的な滑膜炎があるのみで、急性炎症(CRPの上昇)がありませんので、全身に影響はありません。
その場合は消炎鎮痛剤の使用、もしくは経過観察で良いとされおり、リウマチの治療は全く必要ありません。

今あなたが受けている治療のアクテムラは、CRPそのものを下げる薬です。
CRPに異常がない場合には、治療の意味がありません。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます





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執筆者プロフィール

篠原 佳年(しのはら よしとし)

1950年生まれ、徳島県池田町出身。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。
膠原病、主に関節リウマチを専門としている。一早く生物学的製剤アクテムラを導入し、全国から多くの方が来院。現在まで約700例の実績。

その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。



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