CRPは正常範囲ですが、「血液検査では出ないタイプのリウマチでしょう」と言われました。

質問

<50代 女性> RF 283、CRP 0.08
ずっと喘息で吸入と時々プレドニンを飲んでいたのですが、膝関節が痛くなりその後足の裏に肉球ができたような違和感と歩く時の痛み、そして手のこわばり、関節の腫れなどがあり、(今年の4月頃から)総合病院を紹介され、数カ月後、シェーグレン症候群と関節リウマチも発症と診断されました。
はじめはエコーでも炎症確認されなかったため痛み止めを飲むと動けたのですが、その後10月に関節エコーでも炎症が確認され、メトトレキサートを勧められたが違和感しかなかったのでサラゾスルファピリジン腸溶錠500mgを飲んだり飲まなかったり。(あまり気が進まなかったため)先生にサボってます、身体はしんどいと伝えるととにかくまず飲んでみないことにはわからないからと言われ、それから2、3週間朝、夕飲んでみてみました。すると、絶不調になり身体のあちこちの関節が痛く、お風呂も1人では力が入らず、腕も上がらず日常生活がままならなくなり、何故、抗リウマチ薬飲んで痛み止めも飲んでいるのに悪化する一方なのかと、毎日辛すぎて泣いていました。
その間(抗リウマチ薬飲み始める前から)、漢方薬局にも相談にいき、還元顆粒と独歩も朝、夕の食前に飲んでいました。何が悪かったのか、左瞼が腫れだし痒みもでてきたので抗リウマチ薬を飲むのを止め、痛み止めを飲むのも止めてみたら日常生活困難なレベルに。あちらこちら痛い。寝ていても右肩がナイフで突き刺されグリグリされてるような痛さで寝られない日も。先生に伝えるとステロイド注射を打つことに。それでも、前回まだ抗リウマチ薬を飲む前に打たれたときはまるで嘘のように普通の身体にもどり約1ヶ月くらい楽になったのですが、今回2回目にステロイド注射打ったのですが、少しは聞いていますがまだ歩くとき痛くしんどい疲れやすい、あまり肩も上がらないまま。
24日からアクテムラ点滴を月1受けてみようかと、先日その前に他の異常はないかCTと血液検査をされました。結果はまだで24日に受診する日にわかるようで、他のところに異常や病気がなければその日にアクテムラの点滴を開始する予定です。
自分でリウマチのこと、アクテムラのことを知りたくて先生の本を見つけ今日届いて、内容に驚き、早速メッセージさせていただきました!
日赤の先生はこれから月1アクテムラ点滴もずっと続けていく必要があり、リウマチは一生うまく付き合っていく治らない病気と言われ違和感。
先生の本には、1、2回アクテムラを打って寛解されて15年。。という方の例もあり、ずっと打つ必要はないのでは?と疑問に感じはじめています。

私は最初にリウマチ因子が283くらいあり、眼科でも検査して、涙や唾液が出にくいとシェーグレン症候群の診断つきました。

今身体があちらこちら痛いのはもしかしたら抗リウマチ薬のせいなのでしょうか??血液検査も飲み始めた時期からALPがより高くなっています。
CRPは正常範囲内ですし、(総合病院の先生は、血液検査では出ないタイプのリウマチでしょうと言われています。)
MMP-3は調べられていません。

今の先生のところでこのままアクテムラ点滴を開始してよいものか、、
症状治まれば点滴中止したいと私から伝えてよいものか、、
まだはじまってないのにいろいろ考えてしまって、メッセージさせていただきました。

回答

リウマチ因子が陽性でも、10人中8人はリウマチを発症しないと言われています。
まずは、このことを理解してください。
あなたは、リウマチ因子のみ陽性ですが、CRPの上昇はありません。(MMP-3は調べられていません)
そのため、リウマチの活動性はありませんので、今の治療は全く必要のない治療です。

リウマチの治療は、炎症を抑えることです。免疫異常を治すことではありません。
炎症もないのに、リウマチ因子が陽性だからと言って治療をする必要は全くありません。
全身の炎症を表すCRPと、関節の炎症を表すMMP-3が同時に上昇した時のみ、リウマチの活動性があると考え、治療が必要となります。

あなたはリウマチではありませんが、メールの中には大きく3つの間違いがあります。
詳しく説明すると、
①アクテムラの点滴を予定されているということですが、アクテムラは、炎症を抑える(CRPを抑える)薬です。
痛み止めでも、リウマチを抑える薬でもありません。
あなたはCRPが正常値で全く炎症がありませんので、アクテムラを使う意味がありません。

②CRPは正常範囲内で「血液検査では出ないタイプのリウマチ」と言われたということですので、血清反応陰性関節リウマチのことを言われているのかと思います。
この病気の特徴は、関節エコーだけで炎症がみられても、血液検査では、リウマチ因子、抗CCP抗体、CRPはすべて陰性です。
あなたはリウマチ因子が陽性ですので、この病気には該当しません。

関節エコーだけで炎症がある場合、通常、検査ではMMP-3が上昇します。
(これはあまり知られていません)
MMP-3が上昇していなければ、エコーでの炎症も疑問に思われます。
仮にMMP-3のみが上昇していたとしても、慢性の関節炎(滑膜炎)がおきているだけですので、経過観察で良いとされています。

③メトトレキサートを服用されているようですが、検査データをみる限り、あなたは炎症がありませんので、服用の必要はありません。
この薬は免疫抑制剤です、用途は免疫を抑えることですが、結果として、CRPとMMP-3を抑えることになります。
あなたはCRPの上昇がありませんので、服用する理由がありません。
この薬は免疫抑制剤で、元々は抗がん剤で劇薬です。
日本で導入された初めの5年で500人の方が亡くなっている、とてもリスクの高い薬で、
命がけの治療になります。

この薬が合わない人は、体調を悪くし、一日中動けない、仕事に行けないなど、副作用が多くありますので、一刻も早く服用を中止するべきです。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます





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執筆者プロフィール

篠原 佳年(しのはら よしとし)

1950年生まれ、徳島県池田町出身。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。
膠原病、主に関節リウマチを専門としている。一早く生物学的製剤アクテムラを導入し、全国から多くの方が来院。現在まで約700例の実績。

その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。



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