質問
<30代・女性>
お忙しいところと思いますが、ご相談させてください。私は去年の3月頃から両手首の腱の辺りが痛くなり、整形外科で治療していました。その後、6月には両膝が痛くなり、8月に腰の痛みが出てきたので、膠原病内科で診てもらうことになりました。リウマチ因子やCCP抗体などは正常値でしたが、CRPが0.4と微妙に高かったです。関節エコーもしましたが、炎症反応は無いものの、両手首の腱と右膝は水が溜まっているとのことで、リウマチの治療を開始することになりました。主治医はCRPが高値であることと、多関節痛があるのでリウマチだと判断したようです。現在はメトトレキサート(週6錠)と生物学的製剤のアダリムマブBSを注射していますが、痛みに変わりはありません(注射でCRPは正常値になりました)。次はアクテムラを試すことを検討しています。また血液検査では貧血もなく、日常的に手首や膝を痛めるような動作はしていないです。主な血液検査を下記に記します(抗GAL欠損IgG抗体は一度も検査したことはありません)。検査データは初期の頃と、最新の2枚を添付致します。
リウマチ因子 3
CCP抗体 0.5
CRP 0.6→0.18
MMP−3 28.2
ヘモグロビン 11.9
フェリチン 73.6
腰の痛みは主治医に訴えても、関係ないと言われました。しかし、今まで腰痛に悩まされたことはなかったので、一連の痛みと関係ないとは思えないのですが、リウマチで腰が痛むことは全くないものなのでしょうか?脊椎関節炎は、腰痛も出るようですが、その可能性はありますか?またCRPは下がったのに、痛みがなくならないのは、どういう状態なのでしょうか?まだ飲み薬も注射も痛みに効いていないので、本当にリウマチなのかな?とも考えてしまいます。先生のご意見をお伺いしたいです。
回答
初診時の検査データによると、
リウマチ因子も抗CCP抗体も陰性ですので、リウマチの体質は持たれていません。
CRP 0.4は(-)に近い(±)ですので、高値ではありません。
また血小板の上昇もなく、アルブミンも正常値、貧血もありませんので、炎症は全くありません。
リウマチの体質もなく、炎症もありませんので、治療をする理由がありません。
たとえ抗GAL欠損IgG抗体が陽性だったとしても、炎症がなければ、治療は必要ありません。
メトトレキサートは、免疫抑制剤で、リウマチ因子など免疫異常を抑える薬です。
あなたは、リウマチ因子も抗CCP抗体も陰性ですので、抑える免疫異常がありません。
生物製剤のアダリブマブやアクテムラは、CRPを下げる薬です。
下げるCRPがなければ、必要ありません。
膝などに関節液がたまっていれば、その関節液の白血球、たんぱく質を調べると、使い過ぎによるものか、炎症によるものかがわかります。
関節液を調べることもなく、症状だけで治療をすることは、私には考えられません。
「CRPは下がったのに、痛みがなくならない」ということですが、元々病気ではありませんので、薬を使っても治りません。
膝の軟骨が減っていることで動かしにくく、そのために腰に負担がかかっているのではないでしょうか。
あなたは元々病気はなく、治療する必要全くないと、私は思います。
リウマチは度外視して、膝の軟骨が減っていないか、腰に病気がないか、整形外科を受診されてみてはいかがでしょうか。
治療を始めてからヘモグロビンが下がっていますので、貧血が進んでいるようです。
炎症がなければ、治療をする必要はなく、リスクしかありませんので、治療を中止してみてはいかがでしょうか。
リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます