リウマトレックスのみで治療中なのですが、他の飲み薬にせずもう生物学的製剤にするべきでしょうか?

質問

<40代 女性>
右手首の軟骨がすり減り骨と骨の間が狭くなっており、毎日痛いです。
リウマトレックスのみで治療中なのですが、他の飲み薬にせずもう生物学的製剤にするべきでしょうか?
また、生物学的製剤にすれば擦り減った部分の痛みはなくなるのでしょうか?
よろしくお願いいたします。

回答

リウマトレックスで治療をされているということですが、まずリウマチかどうかです。
リウマチ因子や抗CCP抗体は陽性でしょうか。

リウマチ因子や抗CCP抗体が陽性で、CRPやMMP-3の上昇がみられた時、リウマチの治療が必要になります。
リウマチは、活動性がなければ治療は必要ありません。
CRPやMMP-3は上昇していますでしょうか。

リウマトレックスは、免疫を抑える薬ですので、痛み止めではありません。
また、生物製剤は炎症を抑える薬です。
すり減った軟骨が再生するわけではありません。

軟骨がすり減っただけで、継続して痛むことはないと思われます。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

リウマチを発症しているとの診断でした。直ぐに治療が必要だと思われますか?

質問

<50代 女性>

リウマチ体質ではあるけれど発症はしていないという事で治療はしていませんでした。
ただし関節痛の痛みが3週間以上続くようであればリウマチを発症している可能性があるので直ぐに受診するように言われました。

6月から目眩(フワフワやグルグル回り嘔吐)と2、3日で消失する関節痛があり婦人科を受診しホルモン補充療法を行っています。
ホルモン剤を内服し始めて1ヶ月半位から目眩も関節痛も無くなりホッとしたのも束の間10月位からまた関節痛が出始めました。
それも手首だけではなく手の中指の第二関節や第三関節、右膝横、左肘、左足小指甲と複数箇所の痛みです。
しかし痛みは3、4日で消失。
様子を見ていたところ11月半ばから右手首の痛みが出始めました。
その痛みは3週間経っても治まらず今月の9日に整形外科リウマチ科を受診しました。
その時に痛みがあった右手首、左手中指の第二関節、左足小指の甲のレントゲンと超音波検査(断層撮影法)そして血液検査を行いました。
レントゲンと超音波検査は異常無しです。
16日に血液検査の結果が出て結果は以下の通りです。
(内は1月の結果です。)

RF定量・・378(124)
抗核抗体 (FA)・・40
HOMOGENEOUS型 ・・40
SPECKLED型・・40
抗CCP抗体・・803.6(83.9)
CRP・・0.224(0.055)

リウマチを発症しているとの診断でした。
弱い薬で治療を始めるか毎月受診し経過観察で様子を見るか来年の1月に受診し今後の事を決める事になっています。
その前に先生にご相談したいと思いメールしました。
血液検査結果が1月と比べ10倍になっているCCP抗体に驚きと不安を感じました。
今回の血液検査結果をご覧になって直ぐに治療が必要だと思われますか?
今後どのようにすれば良いのか分かりません。

長年、高齢者施設の介護士としてリウマチに苦しむ利用者様のお手伝いをしてきました。
歩行困難で車椅子を使用されていたり寝たきりの利用者様もいらっしゃいます。
私も同じ様になってしまうのかと不安で夜も眠れない日が続いております。

回答

膠原病、リウマチの体質をもたれているようですが、お送りいただいた検査データだけでは、リウマチが発症したかどうかはわかりかねます。

CRPは0.22 (±)です。
お手持ちの検査データの中に、
・血小板
・α1グロブリン
・α2グロブリン
・血沈
これらの上昇があれば、炎症がある可能性があります。

しかし、MMP-3が(60以上に)上昇していなければ、リウマチは発症していません。
MMP-3を調べることをお勧めします。

CRPとMMP-3が上昇していなければ、リウマチは発症していませんので、治療の必要ありません。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

担当医には早期発見早期治療が大事だといわれました

質問

<40代 女性>

いつ頃からかはわかりませんが一年以内のことで、朝手のこわばり(五分もすれば回復)、足裏が痛い(指の付け根)、肩、肘、手首が痛いがあり仕事が美容師だし更年期にはいる歳でもあるので、そのせいだとおもってロキソニンテープをはってすごしていました。
足裏や朝の手のこわばりは半年ぐらい前からなくなって今は肩、肘がツンツン痛いかんじです
ノートに体調をつけていると、生理前後に肩、肘の痛みがマシてそれ以外はさほど気にならないぐらいまでおさまる繰り返しです。
ただずっとロキソニンテープを貼るのもいかがなものかと12/5に整形を受診。肩、肘のレントゲンと血液検査をしました。レントゲンは異常なし、血液検査は赤沈が27でCRP 0.08 白血球60.0でリウマトイド因子200 抗CCP抗体170.6で抗核抗体とMMPなんとかは調べていません。数値てきに関節リウマチで間違いないので治療します。と言われて薬を服用するにあたり、胸部レントゲンと血液検査、尿検査をしました。結果次第で薬の投与をはじめます。といわれましたがこれはいま結果待ちです。
貧血になると赤沈が高くなると知り、ちょうど生理中だったなあと思ったり、
検査値はヘモグロビン11.5 ヘマトクリット34.4でした。
以前貧血の治療でフェリチンを飲んでたこともあるし貧血傾向ではあります。
わいわいクリニックのホームページをみて、私はほんまにリウマチなのかと疑問をかんじています。関節が痛いとか炎症して赤くなってるとか腫れてるとか発熱も倦怠感もないし。近くに1軒しかリウマチ科もなくて素直に処方された薬を飲むしかないのかなあと思ってたけど薬には副作用があるし本当に必要であれば飲みますが、今のところ体に不調もかんじませんしどうすればいいのかわかりません。担当医には今は初期なのであまり苦痛をかんじないと思うがこれから色々出てくると思うので早期発見早期治療が大事だといわれました
自分ではセカンドオピニオンを受けてから同じ結果なら投薬をはじめるほうがいいのではないかとおもっています。

回答

リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性ですので、リウマチの体質は持たれています。
しかし、CRP 0.08と炎症がないので、リウマチの活動性はありません。
リウマチの活動性がないので、今は治療は必要ありません。

今は、自分の免疫力がリウマチの発症を抑えている状態です。
リウマチの活動性がないのに治療をすると、抑えている免疫が落ちて、リウマチの発症が早まる可能性があります。

炎症がないので、今ある痛みは、老化や使い過ぎによるもので、リウマチは関わっていないと思われます。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

リウマチ性多発筋痛症というのは、 CRPが上がるとプレドニンの量を増やしていく。 体に痛みや変化がなくて…

質問

<女性 80代>

初めまして。本人の代わりにメッセージしております。
84歳 母のことについてですが、

去年9月に両方の二の腕の筋肉痛のような痛みが長く続いた為、近くの整形外科を受診。
細かい血液検査などから、リウマチ性多発筋痛症とのことで、プレドニンを飲むことになりまして、今プレドニン3ミリまで減薬になりましたが、
以前、プレドニンを0 辞めるギリギリまでいきそうになった時、CRPが上がりまして、
体には何も変化はないのですが、また増薬になり、月一回の血液検査のCRPがまた更に上がり、
上がっても体に変化はなく痛さもないのですが、
今度は関節リウマチ薬メトトレキサートを処方されてしまいました。
そちらを飲んでから、肝臓の数値がかなり上がりまして、2か月でその薬を辞めることになりまして、辞めてからまだ1か月ですが、CRP0.06になってます。
プレドニンは3ミリ、服用はしておりますが、リウマチ性多発筋痛症というのは、
CRPが上がるとプレドニンの量を増やしていく。
体に痛みや変化がなくてもそういった感じの治療しかないのでしょうか?

回答

リウマチ性多発筋痛症の治療は、原則的にプレドニンが使われます。
CRPが0になるまで、プレドニンを多めに投与します。
その後、CRPが0になれば、そこから0をキープできるように、少しずつ減量します。
ここで、減量のスピードが早すぎたり減量し過ぎたりすると、CRPはまた上昇し、病気が出てきます。

減量しているときに、痛みなど症状がなくても、CRPが上昇しているということは、病気が出ているということですので、
プレドニンを出す(増量する)ことは、間違っていません。

現在、プレドニン3㎎でCRP 0.06ということで、すごく効果があり病気を抑えられているようです。
これ以上は減量せず、春ごろまではしばらくはこのままプレドニン3㎎を続けられ、その後減量について考えられてはいかがでしょうか。
今くらいの量が維持できれば、少量ですので安全だと思われます。

リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます

身体に負荷のかかる薬は使わずに、気力で治して行けたらと思っておりましたが、生活が出来ないのも事実

質問

<女性 40代>
2年半前(2022年6月)からリウマチを発症し、ケブザラやアクテムラを使用して軽減したものの眠れない程の蕁麻疹が発生。2023年6月に副作用が出にくいとされているアザルフィジンを服用したら痛みが悪化し、全身激痛になり3週間寝込みました。
その後はプレドニンを服用しながら煎じて飲む漢方を1年服用、金製剤も試したけど副作用がキツい。リンデロンに変えてもらったら徐々に痛みが増して、立てなくなりました。2024年1月にプレドニン(25mg)に戻して回復。自分のペースで減薬し、8.5mg+ロキソニンで痛いけど日常生活が出来る程度でした。
しかしムーンフェイスや中心性脂肪の加速、最近では体表の気が弱くなってきたのを感じ、小豆島に移住したのをきっかけに脱ステしました。
毎日38℃と全身激痛です。いま脱ステ30日目ですが、カロナール(600mg6時間おき)服用して室内はよちよち歩ける状態です。
しかし12/19から東京で仕事が入っております。出張の鍼灸治療を行っております。(人は治せるのに自分は全く治せません。。)このままだと外出が出来ないので、仕事の10日間だけプレドニンを服用しようか悩み中です。
リウマチを忘れたくても寝返り打つのも激痛なので…極力楽しいことを考えるようにはしてますが。
無自覚でしたが、エネルギーは強い方らしいです。東京に行く前に先生の所で診てもらった方がいいのか…せっかく脱ステしてるのにプレドニンを飲んでもいいのか…。

回答

当院では、アクテムラで湿疹や痒みなどが出た方は、数名いらっしゃいます。
その場合はエンブレルに変更し、痒みなどもなく治療しています。

検査データを拝見すると、リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性ですので、リウマチの体質をもたれています。
2024年4月の検査データは、CRPが上昇していますので、リウマチの活動性があると思われますが、MMP-3が調べられていませんので、詳しくはわかりかねます。

プレドニンを10日間だけ服用しても、離脱することは可能です。
しかし、プレドニンもカロナールも、リウマチの治療ではありません。
一時的に痛みが消失しても、リウマチならばもとから抑えなければいけません。

直近のデータをみたところ、CRP、MMP-3ともに上昇していますので、やはりリウマチの活動性がみられます。
治療が必要な状態ですので、早めにリウマチの専門を受診されることを勧めます。

◇リウマチSOSにてご相談の際は、検査データをお送りください。検査データがあれば、的確なアドバイスができます◇

リウマチの心配はしなくていいと言われましたが、にぶい痛みは残ったままです。 本当にリウマチからではないの…

質問

今年8月両手の手首がじわっと痛くなり整骨院にて治療。
腱鞘炎だろう。と治療を受けていました。
11月末、左手に激痛がはしり指をまげることができず、じっとしていても痛い。が腫れはなし。
ロキソニン湿布飲み薬服用。
翌日昼頃から急激に痛みはおさまる。が気になったので激痛が起きた翌々日に整形外科受診。
血液検査、MRIを受けました。血液検査の結果は添付ファイル1です。
8月の時点で喘息で通っている、内科に相談。その時の血液検査結果が添付ファイル2.3です。
内科ではリウマチの可能性はないと言われる。

ですが、今回整形外科でGAL欠損igg抗体定量が基準値を超えているのでリウマチは否定できない。と言われました。ただ、現状腫れもなく痛みもひどくないのであれば治療の必要はなし。
MRIも異常なし。今の痛みは腱鞘炎と言われました。
気になったので翌日同じ病院のリウマチ専門医を受診。
MRIに炎症がみられるが、腫れもなく、CCP抗体が陰性の事からリウマチの心配はしなくていい。と言われました。
ただ、激痛はなくなったものの、手首や親指下辺りににぶい痛みは残ったままです。
本当にリウマチからではないのかが心配です。
手の専門医を受診しようかも悩んでいます。
よろしくお願いします。

 

回答

抗GAL欠損IgG抗体は、リウマチの初期に出ることがあると言われていますが、陽性だからと言って、リウマチが発症したということではありません。

リウマチ因子(RF)、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG抗体は、リウマチの体質の有無を表します。
あなたは、抗GAL欠損IgG抗体が陽性ですので、リウマチの体質は持たれています。
しかし、CRPは正常値ですので、今はリウマチは発症していないので、治療は必要ない状態だと思われます。

当院では、血液検査で、【炎症を表す】CRPと【滑膜炎を表す】MMP-3が同時に上昇した時、リウマチが発症したということで治療の対象となります。

次に検査をされる時に、CRPとMMP-3を調べてもらい、どちらも上昇していなければ、リウマチは発症していないので、治療は必要ないということです。

今ある痛みは、リウマチは関わっていないと考えられます。

メトトレキサートのみ3錠/週服用しているがこのまま飲み続ける必要があるのか

質問

2023.11に両手の痛みが酷く整形外科を受診。受診前の1週間は全身に痛みが日替わりで場所を変えながら出現していて痛みの部位が特定できず。
受診日3日前ぐらいからは両手の親指と肘から先が痛く洗濯バサミが掴めない、車の運転ができない、包丁が持てない状態。
整形外科でステロイドの痛み止めの点滴をする。その後、血液検査の結果から関節リウマチとの診断でメトトレキサート3錠/週を処方され服用したが2ヵ月経ってもあまり改善されず。
2024.2エタネルセプト50を月2回注射で追加したところ症状が改善され痛みは消失した。
2024.9エタネルセプトを継続しているうちに副反応か酷い湿疹ができるようになり、あまりにも痒くて1ヵ月注射を控える。その期間に症状の悪化なし。
2024.10エタネルセプトを止めて様子を見たいと伝えたところ、医者の指示に従わないのならもう面倒みられないからと激怒される。薬局に行ったら薬剤師さんにエタネルセプトは関節の破壊を止めるものだからメトトレキサートは止めてもエタネルセプトは継続したほうが良いと言われる。
現在はメトトレキサートのみ3錠/週服用しているがこのまま飲み続ける必要があるのか疑問。痛いところも炎症もなくウォーキングも10Kmしている。

(補足)2016.12に間質性肺炎と診断され定期的に現在に至るまで大学病院に通院経過観察中。その際にリウマチ因子はあるからいつかは発症するかもしれないと言われる。昨年関節痛になる前にインフルエンザに罹患したことが何か関係しているのか以前にもウイルス感染時に同じようなことがあった。
勝手に服用を止める判断は良くないことはわかっているが、一生飲み続けないといけない薬というのが本当なのかどうかよくわからなくなっています。薬の量が標準の半分なのだから飲みなさいと言われていてそれも疑問です。
今後どのように向き合ったらよいのか教えていただきたくご相談しました。

回答

リウマチに対するリウマトレックスの処方は2~8cとなっています。
リウマトレックス3cでは効果がなかったようですが、通常4~5c投与し効果判定をします。
3cでは、量が少なかったのかもしれません。
しかし、間質性肺炎の既往がある場合、リウマトレックスの使用は、以前は禁忌、現在は警告となっています。
リスクが高いため、肺の疾患がある方には、一般的にはプログラフが使われています。

エタネルセプトを追加され、症状が改善したとのことですので、エタネルセプトが単独で効いたと思われます。
しかし、副作用で湿疹が出たのであれば、それは使えないので薬の変更が必要となります。
リウマトレックスが使いにくく、エタネルセプトも使えないので、生物製剤アクテムラがお勧めです。

薬は飲みたくない、もうリウマチは治っていると思われるのであれば、1カ月間休薬することを勧めます。
休薬して1か月後に血液検査をし、CRPやMMP-3どちらも上昇していなければ、今はリウマチの活動性がおきてないので、治療は今は必要ない状態だということです。
リウマチ因子や抗CCP抗体が陽性の方は、休薬すると再発する可能性は高いので、お気を付けください。
一方、CRPやMMP-3が上昇していれば、治療が必要な状態だということです。
その場合は、リスクの少ないアクテムラでの治療を勧めます。

入院して状態がだんだん悪くなる奥さんを心配して…その後

その後

以前送ってこられた血液検査のデータをみて、
1.鉄欠乏性貧血とその治療(鉄剤の投与)
2.低アルブミン血症(炎症を止める)
3.血糖コントロール不良
4.リウマチ性多発筋痛症の有無を指摘しました。
その後、まだ調子が良くないということで、総合病院に転院すると連絡があり、最新の検査データを送ってこられました。この間、貧血の治療とプレドニンの減量をされたようでした。
●Hb 9.8↓、フェリチン 841.7↑、血清鉄 257↑
●リウマチ因子(-)、抗CCP抗体(-)、抗G欠損IgG抗体(-)
●CRP 1.0↑、MMP-3 77.1↑
まず、鉄欠乏性貧血についてです。
フェリチンと血清鉄は高値です。以前はフェリチンが調べられていなかったので、鉄欠乏性貧血のため鉄剤の投与が必要だと思われました。しかし、今回の検査で貯蔵鉄は十分にあることがわかりましたので、鉄の利用障害による鉄欠乏性貧血だということがわかりました。そのため、鉄剤の投与は即刻中止し、鉄の利用障害の原因と思われる炎症を止めることが必要です。
リウマチ性多発筋痛症という診断は正しいのか疑わしい状況でしたが、リウマチ因子、抗CCP抗体、抗GAL欠損IgG抗体すべてマイナスですので、最初の診断のとおり、リウマチ性多発筋痛症であるようです。
そして、プレドニンを減量したと思われ、CRPとMMP-3が上昇していて、リウマチ性多発筋痛症の活動性が出てきたと思われます。この炎症がすべての原因で、貧血や低アルブミン血症が起きていると思われます。炎症がなくなるようにステロイドを増量すれば、貧血も低アルブミン血症も改善に向かうと思われます。
炎症がなくなれば、HbやALBは改善に向かうと考えます。プレドニンを増量することで、血糖のコントロールが難しくなります。これは、転院先の糖尿病の専門医によるインシュリンの治療が必要になってくると思われます。
そうすれば、現状は打破できるのではないか、と私は思っています。

アクテムラは良くきくとのことですが、メトジェクトと併用してもよいものでしょうか?

質問

先生のリウマチが治ったを拝読させて頂き、こちらに辿り着きました。

最初はプレドニンが良く効き順調でしたが、半年で完全にプレドニンを、止められてから、メトトレキサートにアクテムラを加え、それでも痛みが続くとメトトレキサートをメトジェクトに変更されました。今は、アクテムラとメトジェクトによる治療となっていますが、メトジェクトを打ったら今迄以上に腕や肩甲骨などが痛み、どうしたらいいものかと、藁にもすがる思いで、ご相談させて頂きました。

経過
2023/12/5起床時の右ふくらはぎの痛みから始まりました。整形外科にかかるも加齢によるものと、マッサージに通うようにと。その後両膝下が浮腫み靴が履けないほど腫れました。足をつくと母指球が痛みます。だるさや股関節の可動域が狭まる。年明けには、全身のこわばりが始まり、朝の全身の硬直が酷くなり、別の整形外科で血液検査とレントゲンを受けました。

2024/1/5
リウマトイド因子、抗CCP抗体ともマイナスなので、リウマチではないかもしれないがCRP6.99 血沈(60分)36と高いし、足の腫れも酷いので、市民病院のリウマチ科へ紹介状を書いて下さいました。

1/15に市民病院で問診、レントゲン、血液検査

1/24 市民病院の先生の最初の診断はリウマチ性多発筋痛症かrs3pe症候群か関節リウマチ、あるいはその組み合わせとのことでした。

1/24にプレドニンを処方されて10日ほどで膝下の酷い浮腫みは綺麗に引き、身体のこわばりも無くなりました。2ヶ月後にはしゃがむことも出来るようになっていたのです。

2/15の診察の際に私の病名はと伺うと関節リウマチですねと言われました。

プレドニンは長く飲むものではないということで、減量され半年で完全に止められてからは、もも裏や臀部、肩の痛みなどになやまされ、痛み止めセレコキシブに頼らざるを得なくなり、2ヶ月以上痛み止めをのんでいます。手の指や他の関節に痛みはなく、痛いのは筋肉痛のような感じです。体重も半年で7キロ減りました。

アクテムラは良くきくとのことですが、メトジェクトと併用してもよいものでしょうか?

これから先の治療はこのままでよいのでしょうか?宜しくお願い致します。

回答

ご質問にあった、アクテムラとメトジェクトの併用についてですが、アクテムラは単独で効果がありますので、当院ではメトジェクトやリウマトレックスの併用はいたしません。

余談ですが、あなたは、リウマチ因子、抗CCP抗体がマイナスということですが、抗GAL欠損IgG抗体もマイナスであれば、関節リウマチではなく、リウマチ性多発筋痛症だと思われます。

リウマチ性多発筋痛症の治療は、ステロイドが唯一の治療ですが、胃潰瘍、高血圧、糖尿病、睡眠障害などの副作用があり、リスクが高く、使いにくくなっています。

9/30の検査データは、炎症反応が全くないので(CRP<0.1)、これはアクテムラだけの結果だと思われます。
アクテムラは抗炎症剤なので、免疫抑制剤のメトジェクトの併用は全く必要ありません。

入院して状態がだんだん悪化する奥さんを心配して・・電話相談

質問

高齢(80代)男性。今の病院に入院中の奥さん(81)の状態がだんだん悪くなってきているようなので診て欲しい、と連絡がありました。当院に初診受付をしていたが、動けないので退院させてもらえなかった。そのため検査データと紹介状(前医、現担当医)を送ってこられ、電話相談となりました。

送られてきた検査データは、次のとおりです。

検査項目 結果値 基準値
ALB(BCP)  2.4   g/dl 4.1~5.1 以下
白血球数  6.8   千/µL 3.5~9.1 以下
赤血球数  376    千/µL 376~500 以下
血色素量  8.7   g/dl 11.3~15.2 以下
ヘマトクリット  29.0    % 33.4~44.9 以下
MCV  77     fL 79~100 以下
MCH  23.1    pg 26.3~34.3 以下
MCH  30.0    % 30.7~36.6 以下
血小板数  30.4    万/µL 13.0~36.9 以下
好中球  77.0    % 40.0~74.0 以下
好酸球  1.6      % 0.0~6.0 以下
好塩基球  0.6      % 0.0~2.0 以下
リンパ球  14.9    % 18.0~59.0 以下
 単球  5.9      % 0.0~8.0 以下
AST(GOT)  11     U/L 10~40 以下
ALT(GPT)  12     U/L 5~40 以下
アミラーゼ(AMY)  82     U/L 37~125 以下
総ビリルビン  0.3      ㎎/dl 0.3~1.2 以下
総蛋白(TP)  5.2      g/dl 6.7~8.3 以下
A/G比  0.8 1.1~2.1 以下
尿素窒素(BUN)  19    ㎎/dl 8~22 以下
クレアチニン  0.32   ㎎/dl 0.47~0.79 以下
eGFR  141.3   mL/min/1.73㎡
ナトリウム(Na)  139    mEq/L 136~147 以下
カリウム(K)  3.9   mEq/L 3.6~5.0 以下
クロール(Cl)  98    mEq/L 98~109 以下
血糖  193    mg/dl 70~109 以下
HbA1c  9.1   % 4.6~6.2 以下
CRP  0.4   mg/dl 0.3 以下

回答

―検査データと紹介状からみるとー
◆典型的な鉄欠乏性貧血はどうして?
ヘモグロビン:Hb(血色素量)が8.7と極端に低値です。年齢からみると、老人性の貧血が考えられます。しかし、驚いたことにMCV 77(小球性)、MCHC 30.0(低色素性)ですので、小球性低色素性の典型的な鉄欠乏性貧血です。
原因として<どこかで出血している><悪性腫瘍のようなものが存在する><極端に栄養状態が悪い>などが考えられます。どこかで出血しているかどうかは、網状赤血球を調べるとわかりますが、ここでは調べられていません。
原因は不明ですが、貧血の治療がすぐに必要な状態です。
治療ですが、鉄の内服は、元々ある粘膜障害のために胃からの吸収ができにくくなります。また貧血の程度が重度なので、静注投与(フェジン2A)が15回程度必要です。

◆低アルブミン血症はなぜ?
アルブミン(ALB)が2.4と低値で、低アルブミン血症の状態です。低アルブミン血症は、腎機能や心機能の低下、炎症があるときに現れます。アルブミンが3.5g/dl以下になると、血漿浸透圧が維持できないため、血液中の成分が漏れてしまい、体中が浮腫み、心臓により負担がかかり心不全がおこりやすくなります。
しかしこの方の腎機能(クレアチニン)は悪くないので、心臓の方も良いと思われます。また炎症(CRP 0.4)もないのでⅽ、出血もなければ栄養失調障害でも起きているのでしょうか。

◆(Ⅱ型)糖尿病
HbA1ⅽ 9.1、血糖 193で、糖尿病の治療がうまくいっていません。
元々糖尿病があったところに、リウマチ性多発筋痛症と診断され、プレドニンを20㎎も投与されました。そして糖尿病がさらに悪化したため、糖尿病薬3種とインシュリンも処方されています。今の状況からすると、全くコントロール不良で、高血糖と低血糖を繰り返しているために、食事が十分吸収できず、体調もひどく悪くなっているのではないかと推測されます。

◆本当にリウマチ性多発筋痛症?
この方は、痛みがあるということで前医を受診。鎮痛剤では全く効果がなかったため、プレドニン20㎎を投与された。すると痛みが消失したので、リウマチ性多発筋痛症と診断されたようです。その後糖尿病の悪化が判明したため、プレドニンは徐々に減量していった。しかし約3か月後、プレドニンの副作用とも考えられる胸椎圧迫骨折が出現。その後も減量は継続していたが、途中でリハビリ目的のため転院となりました。(プレドニン9㎎)
前医からの紹介状には、4週ごとに1㎎ずつ減量の指示がありました。内科の担当医は、リウマチ性多発筋痛症の経験がないため、前医の指示のとおりに減量していたようです。(相談時プレドニン8㎎)
しかしその後、リウマチ性多発筋痛症に関しての検査はしていないようなので、リウマチ性多発筋痛症という診断もはっきりしません。そして、今はCRP 0.4で炎症はほぼありませんので、プレドニンが減量できると思われます。ましてや糖尿病が悪化している状態ですので、早急にプレドニンを減量~中止する必要があります。

相談者であるご主人は、奥さんを退院させるので診て欲しいということでしたが、当院には入院設備がないためお断りしました。すると、「近くで入院できる病院を紹介してほしい」「無理なら紹介状を書いてほしい」ということでした。奥さんのことを診ていないので、当然紹介状は書けません。しかしご主人からの強い依頼もあったので、主治医(整形外科)に連絡をとったところ、糖尿病のこともあるということで、内科の担当医に現状の病態の改善についてアドバイスさせてもらいました。

1.リウマチ性多発筋痛症の診断が正しいのかどうか?
2.プレドニンの減量を早急に(あまりに多い糖尿病薬)
3.鉄剤の投与:経口薬ではなく、静注の方がより効果的
(生食20㎖+フェジン2A(静注)を15回ぐらいが必要)

 

検査データに異常がありませんが、リウマトレックスを処方されました。飲む必要がありますか?

質問

初めまして。
リウマチの治療が必要かどうか悩んでおりまして、いろいろ検索していたところこちらを見つけ相談させていただきました。よろしくお願い致します。

43歳女性、看護師をしております。今年の9/2頃より右手の小指第二関節の痛みとぷくっとした腫れ、こわばりがあり様子をみていたのですが一向によくならないので9/13日に近医のリウマチ科を受診致しました。
レントゲンとエコー、採血の結果、リウマチだろうとのことでメトトレキサートの服用を勧められましたが、検査データに異常がないことから、ものすごい抵抗があります。
痛みは軽減して来ておりますが、ぷくっとした腫れはあります。
また仕事上、指先や手首はよく使うので痛みがでます。
個人的には年齢によるものや女性ホルモンなどの影響ではないかと考えています。
ただ、このまま仕事を続けられるのか将来的に不安です。

アドバイスいただけましたら幸いです。よろしくお願い致します。

回答

検査データを拝見したところ、リウマチ因子(-)、抗CCP抗体(-)、抗核抗体(-)ですので、リウマチの体質も膠原病の体質も持たれていません。
また、リウマチの特徴である、CRPは(-)、MMP-3は正常値ですので、炎症所見も全くありません。
全く病気はなく、治療も必要ありません。
使い過ぎや変形性指関節症(軟骨の減少)が原因の痛みだと思われます。

「血液検査では異常はないが、関節エコーやMRIで炎症がある」と言われ、心配で来院される患者さんがいらっしゃいます。
当院では、血液検査に異常がないのであれば、関節エコーやMRIでの炎症は、参考にしません。

蛇足ですが、リウマトレックスは、リウマチの免疫異常を抑える薬です。
あなたは、抑える免疫異常は全くありませんので、飲む意味がありません。

リウマチの初期でアザルフィジンが処方されました。飲んだほうが良いのか悩んでいます。

質問

はじめまして。
よろしくお願いいたします。

8年程前、少し指が痛くなりリウマチ専門の病院に行きました。
その時からリウマチ因子だけ、20~30をいったりきたりしています。
しばらく経過観察で、血液検査、エコー、レントゲンしていました。
今年の4月中旬辺りから左肩が痛くなり次第に右肩も痛くなりました。
症状としては腕が後ろにまわらず着替えが辛いです。

3年ぶりに病院に行き検査した所、血液検査は、リウマチ因子30、ccp抗体マイナス、CRP0.03、赤沈14、MMP3ははかっておりませんでした。
エコー検査では、両肩、多少の炎症反応が見られました。
2ヵ所、違う病院でエコー検査で診てもらったら、炎症反応は出ていませんでした。どちらもリウマチ専門医の診断です。
今まで通院してた病院で再度診てもらったら、炎症反応がやはりでました。
(9月始めに診てもらって、1週間後ずつに検査しています)

リウマチ初期の疑いで、アザルフィジンが処方されましたがまだ飲んでいません。
飲んだ方がいいのか未だに悩んでます。

 

回答

リウマチ因子(+)の場合でも、リウマチが発症するのは20%(10人中2人)程度と思われます。
血液検査の結果、CRPは0.03ですので、炎症反応はありません。

当院では、エコーの炎症反応は、治療の対象ではありません。
血液検査で炎症がなければ、リウマチは起きていない、と考えます。

腕や肩に痛みがあっても、炎症反応がありませんので、それはリウマチは関わっていないということです。

アザルフィジンですが、炎症がないので、使う意味がありません。

整形外科に行かれた際に、リウマチ因子があることは言わないほうが良いと思います。

その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

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