その他の疾患

手指や膝の痛みは、「股関節の歪み」と「鉄欠乏性貧血」が原因

今回ご紹介するのは、リウマチを疑って来院された50代女性の方です。

≪受診前の経過≫
2009年、人間ドックにてリウマチ因子陽性と言われ、約1年半専門病院に経過観察のため通院しました。
2011年、転居したため整形外科を受診。そこでも続けてフォローが必要と言われましたが、症状がなかったため、1年半後通院を中止しました。
2018年、急に握力が低下し、生活に支障が出てくるようになりました。
リウマチの知人の症状と似ているため、ご家族がインターネットで病院を探し、当院を受診されました。

≪当院初診時の所見(炎症の有無)≫
手指や膝のレントゲンを撮ってみると、関節間の隙間が少なくクッションがないため、手や膝を使うとそのたびに痛みが出る状態でした。
診察してみると、右の股関節がひどく歪んでいて、様々な関節痛を起こし、生活がしにくい状態でした。歪みを治すと、ずっと感じていた身体の緊張や違和感は一瞬んで消失したそうです。
リウマチ因子が陽性ということだったので精査してみると、この度はリウマチ因子は消失し、抗CCP抗体もマイナス、炎症所見もなく、関節リウマチは出現していませんでした。膠原病を表す抗核抗体のみが陽性でした。
しかしヘモグロビン11.1と軽度の貧血で、貯蔵鉄であるフェリチンが5以下とほぼゼロに近い状態で、鉄欠乏性貧血が大きく表れていました。
股関節の歪みと鉄欠乏性貧血が、この方の諸症状に大きく関係していると思われました。
貧血の治療を開始し、股関節の歪みが是正すれば、運動ができるようなり、握力も自然に回復されていくのではないかと考えています。

※「フェリチン」についてはこちらで詳しく説明しています
ちょっと寄り道…(貧血編)

この方のように、潜在性の鉄欠乏性貧血の方が多く来院されます。
気になる症状などある方は、お気軽にご相談ください。





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当院のリウマチ治療 リウマチSOS

執筆者プロフィール

篠原 佳年(しのはら よしとし)

1950年生まれ、徳島県池田町出身。岡山大学医学部大学院卒業後、岡山大学部第三内科を経て、現在、医療法人わいわい・クリニック理事長、医学博士。
膠原病、主に関節リウマチを専門としている。一早く生物学的製剤アクテムラを導入し、全国から多くの方が来院。現在まで約700例の実績。

その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。




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