その他の疾患

ちょっと寄り道… (貧血編)

今回ご紹介するのは、人間ドックで貧血が見つかったという男性の方です。
 
人間ドックで貧血が見つかった患者さんが来られました。この方は、体の怠さや息苦しさを感じるようになり、内科を受診されました。そこでは、「何も問題がない。ホルモンバランスの崩れではないか。泌尿器科を受診してみては」と言われたそうです。そして、泌尿器科を受診したところ、「男性の更年期障害かもしれない」とのことで、ホルモン治療を勧められたそうですが、治療は受けなかったとのことです。
 このケースは、貧血があるとわかっていてその精査に行ったのに、貧血の治療されず原因を探すこともされなかったということです。
 知人から当院のことを聞いて、受診されたそうですが、この方はどんな貧血なのですか?

<Dr.>
 この方の検査結果をみてみましょう。Hb 13.5で軽度貧血なのがわかります。
 またMCV 91.4(正常)、MCHC 31.6(低値)のため、正球性低色素性貧血ということになり、鉄剤での治療が有効です。また、GOT、GPTの数値の差が大きいので、運動不足、エネルギー代謝に必要なビタミンB群が少ないことがわかります。
 また鉄の結合能を表すTIBC、血清鉄はともに正常、しかし貯蔵鉄フェリチンは8と異常低値です。この貧血が長期にわたっていることがわかります。
 貧血の治療として、鉄剤を投与することで諸症状は改善されると思われます。貧血の改善、運動不足の解消、ビタミンB群の投与をすれば、体調も良くなってくると考えられます。

《フェリチンについて》
 最近、『フェリチン』というキーワードでの検索が増えているということで、少しお話させていただきます。
 フェリチンは、一般的には悪性腫瘍のマーカーとして知られていますが、実は「貯蔵鉄」を表しているのです。
 先ほどの症例を参考にしてみましょう。貧血の検査では血清鉄が調べられ、正常だということで男性の更年期障害と診断されました。しかし当院ではフェリチンも調べます。
 この方は血清鉄が正常であっても、フェリチンが低値です。これは潜在性鉄欠乏貧血だということになります。
 フェリチン(貯蔵鉄)が少ないと、急激な運動や気温の変化に対応しにくく、慢性的な疲労感があり、通常の貧血と同じような症状が出てきます。また、自律神経失調症、軽い精神病(うつ)、更年期障害などに似た症状なので、間違えられることも少なくありません。今話題の多い気象病も、フェリチンが大きく関わっていると思われますが、まだそのことについては報道されていません。
 フェリチンが少ないということは、貯蔵している鉄が少ないということなので、体内の酸素運搬のための鉄が少ない=体が酸欠状態だということになります。
 またフェリチンが少なくなることを挙げれば、女性では生理による出血、男性で偏食や運動不足などが考えられます。これらのケースは、鉄の補充が必要となります。鉄が補充されれば、様々な症状は速やかに改善されます。

 最初にもお話ししたように、『フェリチン』は貯蔵鉄を表します。残念なことに、ほとんどのDr.はこのことを知りません。潜在性鉄欠乏貧血が原因だと思わずに、先ほどの様々な症状は不定愁訴となります。
 潜在性鉄欠乏貧血で鉄の補充が必要だとわかり、適切な治療をすれば、体調も良くなることでしょう。
 もし思い当たることなどがあれば、お気軽にご相談ください。。

✤快癒ブックス「分子栄養学が体を元から変える 最新のアレルギー療法<アトピー編>」に『フェリチン』について詳しく書いていますので、参考にしてみてください。




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