
- ホーム
- 治療実績
- リウマチ性多発筋痛症・成人スチル病
- リウマチと診断された方の検査データ。本当はリウマチ性多発筋痛症だった
リウマチ性多発筋痛症・成人スチル病
リウマチと診断された方の検査データ。本当はリウマチ性多発筋痛症だった
今回ご紹介するのは、60代女性。主訴は両膝痛、右手首痛、股関節痛。リウマチと診断され、リウマトレックスとオルミエントで治療中の方です。
この方の検査データについて、先生にみていただきます。

問 先生、この異常検査データはどこから見たらよいでしょうか?
Dr. 私は、たんぱくと鉄(酸素の運搬)の集合体であるヘモグロビン①(Hb)をみますね。Hb 10.6ですので、軽度の貧血が認
められます。出血か炎症かなんらかの異常が起きている可能性がありますね。
貧血は、MCV②91.8、MCHC③30.5からみると、鉄欠乏性貧血が考えられます。
CRP④2.06と上昇しているので炎症があり、白血球⑤は正常であることより、細菌性感染症は否定的ですね。それゆえ、内因
性の炎症が考えられます。アルブミン⑥3.5と相当低値となっているので、中等度以上の炎症が起きているようです。
問 では、炎症はどこで起きているのでしょうか?
Dr. MMP-3⑦が779と正常値の10倍以上も上昇しているので、関節に炎症が起きていることがわかります。関節リウマチが一番
考えられますね。
問 では、この方の病気はリウマチでよいですか?
Dr. リウマチ因子⑧と抗CCP抗体⑨どちらも陰性で、どうもリウマチは否定的ですね。CRP、MMP-3はともに高値となっていま
す。これは、リウマチではなくリウマチ性多発筋痛症が考えられます。これは65歳前後に発症する病気で、患者さんは64歳
なので可能性が高いですね。
問 リウマチではなくリウマチ性多発筋痛症ということですか?
Dr. はい。一般的にリウマチ性多発筋痛症は、抗核抗体やリウマトイド因子は陰性と言われています。しかしこの方は、抗核抗
体⑩が陽性で、その中でもDISCRETE SPECKLED⑪が高値なので、膠原病PSS(全身性強皮症)の素因ももっているようで
す。また抗好中球細胞質抗体⑫も高値ですので、血管炎も想定されます。しかしCH50(血清補体価)⑬は上昇しているの
で、二つの内因性の病気は、どちらも今は活動性がないことがわかります。
問 では、今後の治療はどのようにしたらよいでしょうか?
Dr. 今受けているリウマチの治療では、活動性が抑えられていないので不十分です。治療を変更するべきです。
リウマチ性多発筋痛症の治療は、ステロイドによる治療が原則になります。
また、この方の抗核抗体が陽性に関しては、今後経過観察していくことになります。
上記のように、リウマチ因子や抗CCP抗体がないのにリウマチと診断された方、治療を受けていても症状が改善しないなと思われる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
Dr. 私は、たんぱくと鉄(酸素の運搬)の集合体であるヘモグロビン①(Hb)をみますね。Hb 10.6ですので、軽度の貧血が認
められます。出血か炎症かなんらかの異常が起きている可能性がありますね。
貧血は、MCV②91.8、MCHC③30.5からみると、鉄欠乏性貧血が考えられます。
CRP④2.06と上昇しているので炎症があり、白血球⑤は正常であることより、細菌性感染症は否定的ですね。それゆえ、内因
性の炎症が考えられます。アルブミン⑥3.5と相当低値となっているので、中等度以上の炎症が起きているようです。
問 では、炎症はどこで起きているのでしょうか?
Dr. MMP-3⑦が779と正常値の10倍以上も上昇しているので、関節に炎症が起きていることがわかります。関節リウマチが一番
考えられますね。
問 では、この方の病気はリウマチでよいですか?
Dr. リウマチ因子⑧と抗CCP抗体⑨どちらも陰性で、どうもリウマチは否定的ですね。CRP、MMP-3はともに高値となっていま
す。これは、リウマチではなくリウマチ性多発筋痛症が考えられます。これは65歳前後に発症する病気で、患者さんは64歳
なので可能性が高いですね。
問 リウマチではなくリウマチ性多発筋痛症ということですか?
Dr. はい。一般的にリウマチ性多発筋痛症は、抗核抗体やリウマトイド因子は陰性と言われています。しかしこの方は、抗核抗
体⑩が陽性で、その中でもDISCRETE SPECKLED⑪が高値なので、膠原病PSS(全身性強皮症)の素因ももっているようで
す。また抗好中球細胞質抗体⑫も高値ですので、血管炎も想定されます。しかしCH50(血清補体価)⑬は上昇しているの
で、二つの内因性の病気は、どちらも今は活動性がないことがわかります。
問 では、今後の治療はどのようにしたらよいでしょうか?
Dr. 今受けているリウマチの治療では、活動性が抑えられていないので不十分です。治療を変更するべきです。
リウマチ性多発筋痛症の治療は、ステロイドによる治療が原則になります。
また、この方の抗核抗体が陽性に関しては、今後経過観察していくことになります。
上記のように、リウマチ因子や抗CCP抗体がないのにリウマチと診断された方、治療を受けていても症状が改善しないなと思われる方などいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。

リウマチ性多発筋痛症・成人スチル病
-
また「MMP-3(関節の破壊)の上昇」の理解ができないリウマチの専門医。関節リウマチと誤診し、間違った治療へ。
-
成人スチル病-以前から寛解状態なのに、免疫抑制剤やステロイドなど不必要な薬が大量に投与され体調を崩した-
-
リウマチ性多発筋痛症…また関節リウマチと誤診され治療
-
どこの病院でもわからない病気、リウマチ性多発筋痛症(いつもリウマチと誤診される)
-
リウマチ性多発筋痛症、大学病院でもリウマチと誤診されやすい
-
誤診されたうえに、入院・手術までされたケース
-
リウマチ性多発筋痛症と関節リウマチの二つの病名が付き、同時に治療をされていたケース
-
当院ホームページ(リウマチ 誤診)でリウマチ性多発筋痛症が判明したケース
-
リウマチと診断された方の検査データ。本当はリウマチ性多発筋痛症だった
-
成人スチル病と診断されるまで
-
総合病院で病名が告げられないまま、リウマチの治療をされていた
-
実は多い!リウマチ性多発筋痛症
-
リウマチ因子、抗CCP抗体マイナス。MMP-3(滑膜炎)のみ上昇。