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リウマチと誤診された正常な人
診断基準を満たしていないのに治療?
今回ご紹介するのは、何年もリウマチの治療を受けていたが、実はリウマチではなかった女性の症例です。
≪受診前の経過≫
他院で何年も前からヒュミラ(生物製剤)の治療を受けていました。
主治医の転院に伴い転医。その後、その病院が一時閉院になったため、他のリウマチ専門病院を紹介されました。
そこでは、リウマチが軽度であったため、ヒュミラから免疫抑制剤のメトレート1cap/週に変更されました。
しばらくすると、「うちは患者さんが多い。あなたはリウマチが軽いので、近くの病院で診てもらってください」と言われたため、当院に来院されました。
≪当院初診時の所見(炎症の有無)≫
持参された検査データをみてみると、リウマチ因子も、抗CCP抗体もなく、炎症所見を表すCRPや、滑膜炎を表すMMP-3も全く正常でした。また、手の変形もなく、貧血もありませんでした。
私はその患者さんに、「あなたは、診断基準に合わせてみても、リウマチではありません。治療も必要ありません」と伝えました。
この症例は、診断基準を何ひとつ満たさないケースで、リウマチの診断はありえなく、リウマチの治療をするなんてとても遺憾です。
後日談になりますが、この患者さんは兄がリウマチで、自身がリウマチになることを非常に恐れておられ、予防を兼ねてのリウマチの治療だったと思われますが、これはルール違反で、まったく必要のない治療で、非常に信じられないケースです。
上記のように、リウマチについての検査データに異常がないのに治療を受けているという方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。
