その他の疾患

起立性調節障害と診断されたお子さんを連れて母親が急遽来院。「血清フェリチンを調べて」…実は股関節がずれているだけだった?

小学5年生の時に、起立性調節障害と診断された息子さん。治療の昇圧剤を服用しても、全然よくはならなかったそうです。
中学校に入学してからしばらくは体調も良かったが、だんだん「疲れた」ということが増えたそうです。卓球部に入部し、そのせいなのか、最近では帰ってくるなり「疲れた」といって寝てしまい、朝も起きにくい状況。食事量も減ってきているため、栄養状態が気になるようになった、とのことでした。
心配になった母親は、"貧血が原因ではないか”と思うようになり、ネットで”貧血”について調べていると、”隠れ貧血はフェリチンが低値”だというようなことを知った。かかりつけ医に「フェリチンを調べて欲しい」と検査を依頼したが、「貧血はない」ということで、調べてはもらえなかった。
どうしてもフェリチンのことが気になり、当院ホームページの”貧血”の記事を読んだ。そこでフェリチンについて詳しく書かれていたため、検査してほしいということで急遽来院されました。

<持参された検査データ>

Hb 14.5 MCV 85.4 MCHC 32.3 白血球分類(顆粒球 42.9 リンパ球 48.8)

①Hb 14.5と貧血はありません。ただMCV、MCHCともにやや低値で、軽い鉄欠乏があり、筋力低下があるのかもしれません。
②白血球は通常と違い、リンパ球が多く、副交感神経優位になっています。体が疲れやすく、すぐ寝てしまうなどは、そのせいかもしれません。


<当院での検査データ>
Hb 14.8 MCV 85.9 MCHC 31.6 白血球分類(顆粒球 45.9 リンパ球 47.5)血清鉄 107 フェリチン 14 TIBC 345

①Hb、MCV、MCHCは以前と変わらず、白血球も副交感神経優位のままでした。
②貯蔵鉄であるフェリチンは、通常「100」のところ「14」と非常に低値です。そのためTIBC(鉄結合能)はかなり上昇していると思われましたが、正常値でした。なぜか身体は鉄を必要としていないようでした。
日常生活で汗をかくことがなく、運動量が少ない為に、身体は鉄を必要としていない状態になっているのではないかと思われます。

身体を診察すると、両股関節のずれ、特に右側のずれが強いために、左の上半身が引っ張られ、肩がこっているようでした。そのために歩行がしにくくなり、下肢の筋力は極端に弱い状態でした。両足裏は腫れ、アーチも消失しており、実際母親に、肩こりと足裏の痛みを訴えていたようです。
そこで、手技にて股関節のずれを矯正すると、肩のこりは消失し、足の動きも良くなったようでした。
股関節のずれを、自分で毎日治せる体操を教え、続けることで、下肢の筋力アップが期待できます。

起立性調節障害、という病気に関して調べてみると、自律神経のバランスが悪いとのことだけで、治療法がまだ確立していないようです。
この患者さんのように、股関節がずれていることで、疲れやすく、動きにくい身体になっていることが原因である可能性も考えられます。そのため、股関節のずれを矯正し、身体が動くようになれば、体力がつき、疲れにくい身体になります。当然貯蔵鉄のフェリチンも正常値に戻ると思われます。そうなると、副交感神経優位が改善され、通常の状態(交感神経6:副交感神経4)になれば、起立性調節障害も消失するのではないかと思われます。あくまでも予想ですが。

今回は、リウマチとは違うお話になりました。
このように、お子さんに
  肩がこる
  ひざや腰が痛い
  運動が苦手
  人に会いたくない
  原因不明の体調不良
などの症状があれば、股関節のずれが大いに原因なのかもしれません。
今回のお子さんのように、大人でも、
  肩のこり
  腰痛
  全身倦怠感
  足裏の痛み
  テニス肘・ゴルフ肘
などの症状も、股関節のずれが原因でおこっていおる可能性があります。
気になる症状などがあれば、ぜひご相談ください。





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お気軽にご相談ください。


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その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

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