その他の疾患

全く知られていない潜在性鉄欠乏性貧血

今回ご紹介するのは、関節痛や全身倦怠感は貧血が原因だった40代女性です。

≪受診前の経過≫
2023年3月、手指に痛みがあり、かかりつけ医を受診。血液検査をしたところ、リウマチ因子が高いということで、大学病院リウマチ科を紹介された。
5月、大学病院リウマチ科を受診。血液検査の結果何もないため、46歳なのに更年期障害と診断された。
2023年2月、痛みが続くため総合病院の整形外科を受診。ここでも更年期障害と診断された。
9月、体調に波があり、倦怠感や手指にむくみが出現。趣味のマラソンの練習もあまりできなくなった。
今何も治療がないままでいるが、これ以上ひどくならないのか、リウマチかどうかももう一度聞きたくて、知人の紹介で当院受診となった。

≪当院初診時の炎症の有無≫
当院で詳しく検査してみると、
     リウマチ因子(-)、抗CCP抗体(-)、抗核抗体(+)、CRP(-)、血清補体値 40.7
この度の検査では、リウマチ因子は陰性でした。膠原病の体質をもたれていますが、今は活動性がないことがわかりました。手指や関節裂隙の狭小化はみられましたが、それは老化現象と思われます。
     Hb 12.7、血清鉄 57↓、フェリチン 6↓↓、TIBC 403↑、ALB 4.5
これらのことから、一般的に知られていない潜在性鉄欠乏性貧血があることがわかりました。そのために痛みや倦怠感が出ていると考えられましたので、早速鉄剤を処方しました。
この患者さんは、タンパク(ALB) が高く、Hbに影響を及ぼさず正常値であるために、どこの病院でも、鉄欠乏性貧血が見逃されていたようです。
鉄剤を服用されて約3カ月が経過。
     Hb 12.7、血清鉄 78、フェリチン 20 とすべて上昇していました。
フェリチン(貯蔵鉄)が増加したことによって、関節痛や全身倦怠感などの貧血による症状が消失し、体調も良くなり、趣味のマラソンの練習も再開されたということでした。

体調が悪いのに原因がわからなければ、まず貧血を疑う








その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について

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