その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。
その他の疾患
リウマチ治療、その後。
今回ご紹介するのは、以前ご紹介させていただいた50代男性のその後のお話です。
≪受診前の経過≫
5~6年前から両手首や肩に痛みが出現したので、整形外科を受診しました。そこで検査すると、リウマチ因子はなく、プレドニンが処方されました。
その後も痛みが改善しないため、リウマチ専門医を受診しました。そこで検査するも、やはりリウマチ因子はなく、膠原病だろうということで、プレドニン5㎎/日が継続して処方されました。
しかし多関節痛は改善せず、膠原病ということで大学病院を紹介されました。検査してもリウマチ因子はなく、リウマトレックス4c/週が追加されました。
≪当院初診時の所見(炎症の有無)≫
持参された検査データをみてみると、MMP-3のみが軽度上昇していました。CRP(±)のため、リウマチ性多発筋痛症だろうと思われました。しかし検査してみると、リウマチ因子陽性、抗GAL欠損IgG抗体陽性で、リウマチの診断基準を満たしているので、典型的なリウマチと診断出来ました。このことから多関節痛はリウマチのためだと判明しました。
この方の疑問点は、リウマチ因子がずっと無かったのに今回出現したのは、ステロイドとリウマトレックスが併用されたためではないかと推測されます。
リウマチ因子の有無はともかく、もっと以前に抗GAL欠損IgG抗体を調べていれば、当初からリウマチの診断がつき、適切なリウマチの治療が受けられていた、ということです。
後日談…
≪治療後の経過≫
生物製剤アクテムラでの治療で経過は良かったのですが、しばらくすると効果不十分で、補体が下がっていたため血管炎を合併している可能性があることがわかりました。そのため、悪性関節リウマチを発症しているのか、はたまた膠原病の合併なのか、もう一度詳しく精査し直しました。すると、抗RNP抗体の陽性がわかり、この方はMCTD(混合性結合組織病)という特定疾患であることが判明しました。
MCTDであることがわかったため、ステロイド10㎎/日を追加しました。すると症状は改善し、データも改善してきました。
今後は、MCTDの本来の治療であるステロイドのみとし、アクテムラを中止する予定です。
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