リウマチの体質をもっているが、今発症していない(炎症なし)

誤診17 高齢でリウマチの活動性がなく治療は必要ないのに、生物製剤が次々と変更され、更には別の病名がつけられまた別の生物製剤が投与された

今回ご紹介するのは、リウマチの治療は必要のないのに、色々な生物製剤を投与されていたという80代女性の方です。

≪受診前の経過≫
2006年頃、両膝痛が出現し、近医整形外科受診。リウマチと診断されるが、治療は必要ないとのことだった。
症状が改善しないため、総合病院リウマチ科を受診。リウマトレックス4c/週が開始となった。副作用が出現し、近くの内科を受診したところ、リウマトレックスは1cに減量、プレドニン(5)が追加処方された。
数年後、リウマチ専門クリニックを受診。そこで「骨折をよくしているので、リウマトレックスとプレドニンは中止して、生物製剤に変えましょう」と言われ、生物製剤シンポニーが開始となった。
その後副作用と思われる湿疹が出現すると、別の生物製剤に変更された。その後も、湿疹や痒みが出るたびに生物製剤は次々と変更された。
痒みや湿疹が度々出たため、主治医からは「乾癬性関節炎」と診断し直され、今度はそれを治す生物製剤に変わった。
しかし肝機能障害が出現、治療のため入院。この時からはすべての治療は中止していた。
最近になり、両手のこわばりや両膝に痛みが出るようになった。
今まで何度も治療薬が変更になり、その都度副作用が出現していることや、全身に痒みがあったり、主治医から「乾癬性関節炎」と言われたことが気にかかり、知人の紹介で当院受診となった。

≪当院初診時の所見(炎症の有無)≫
持参された検査データをみると、リウマチ因子、抗CCP抗体はともに陽性でしたが、全身の炎症を表すCRP、滑膜炎を表すMMP-3の上昇はありませんでした。リウマチの体質は認めましたが、発症はしておらず治療はまったく必要ない状態でした。
当院でも詳しく検査しました。現在は治療をされていない状態でしたが、炎症所見もなく、肝機能も正常値でした。
手指は、老化による変形性指関節症(ヘバーデン結節)であること、降圧剤など多く服用している薬の副作用として痒みが出現している可能性があること、今はリウマチの活動性は全くないので、治療の必要はないことを詳しく説明しました。

このように、今は必要性のない治療を、高齢者に行うということは非常に危険なことです。(必要のない)リウマチ治療で副作用が出現したのなら、治療を中止すべきです。しかしその副作用?の痒みや湿疹を治そうと、別の病名をつけ別の生物製剤を使い、更に別の副作用を出現させてしまうとは、常識では考えられないことです。

まず大事なことは、自分の病気が誤診ではないのか、十分に中止してみることが大事です。今ではインターネット等で情報を得ることもできますし、ご家族に相談すればもっと早い段階で”おかしい””誤診”だということがわかるのではないかと思われます。








その他の改善症例につきましては、
院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。

書籍について

リウマチの体質をもっているが、今発症していない(炎症なし)

  1. 間違いだらけのリウマチ医療⑩

  2. 間違いだらけのリウマチ医療⑦

  3. 間違いだらけのリウマチ医療⑥

  4. リウマチの体質はあるが、今治療は必要なし

  5. 間違いだらけのリウマチ医療②

  6. リウマチ再燃か

  7. リウマチの体質があるだけで治療開始。炎症がないのに…

  8. リウマチ因子や抗CCP抗体が陽性でも、炎症所見がなければ治療は必要ない

  9. リウマチ因子も抗CCP抗体陽性だが、治療の必要はなし

  10. リウマチの体質はあるが発症はなし。

  11. リウマチ因子陽性、全手指の関節の腫れは、ゴルフの過度の練習のせいで治療必要なし。

  12. 炎症のないリウマチは、治療必要なし。 

  13. リウマチ因子陽性だけでは、治療必要なし

  14. リウマチ因子、抗CCP抗体、抗核抗体すべて陽性。しかし炎症反応(CRP)がなければ、治療の必要なし。

  15. コロナ感染の後遺症による間質性肺炎が判明

  16. リウマチ因子や抗CCP抗体があるだけ。炎症所見もないのに、リウマトレックス投与のための予備検査。右第3指第二関節の腫れは「指を鳴らす習慣」が原因。

  17. 誤診   まだ発症もしていないのに治療開始(総合病院リウマチ科)

  18. 誤診   炎症所見も全くないのに、フルコースのリウマチ治療をされていたケース(総合病院)

  19. リウマチが発症していないのに治療を開始していたケース

  20. 誤診①検査もせずにリウマチ性多発筋痛症と勝手に診断し、ステロイド剤を大量投与する。                                誤診②リウマチの活動性がないのに、免疫抑制剤や抗リウマチ薬、生物製剤を投与

  21. 誤診17 高齢でリウマチの活動性がなく治療は必要ないのに、生物製剤が次々と変更され、更には別の病名がつけられまた別の生物製剤が投与された

  22. 8年ぶりに来院

  23. 大学病院でヘバーデン結節があるだけでリウマチと誤診され、治療を約2年されていたケース

  24. ”自然寛解”という稀なケース

  25. 炎症所見もないのに、必要のない治療がされていた

  26. 妊娠時のリウマチ治療は必要?

  27. リウマチの体質があるだけで、必要のないプレドニンやリウマトレックスが出されていたケース

  28. 「外反母趾の痛み」をリウマチと誤診し、プレドニン10㎎を処方した大学病院のリウマチ専門医

  29. 誤診に誤診を重ねたケース②まだリウマチが発症していないのに必要のない生物製剤(シンポニー)を投与。そして副作用で出た湿疹をリウマチ性乾癬と誤診。なんと治療までしていた。

  30. リウマチの体質があるだけで、活動性がないのに治療をされたケース

  31. リウマチ因子が陽性なだけで、活動性もないのに必要のない治療をされていた

  32. リウマチ因子や抗CCP抗体が陽性でも、炎症所見がなければ治療の必要性はない。それなのに治療をされていたケース

  33. またもリウマチ因子、抗CCP抗体が陽性なだけで、炎症反応もないのに抗リウマチ薬(リウマトレックス)が。副作用で白血球が低下し、リウマトレックスを中止してバイオ製剤を勧められたケース

  34. リウマチ因子や抗CCP抗体が陽性なだけで、活動性が全くないのにプレドニン治療が続けられていたケース

  35. 『リウマチ因子、抗CCP抗体ともに陽性』、でも8年経過してもリウマチが一度も発症していないケース

  36. 見過ごせない誤診

  37. 炎症がなければ治療は必要ない

  38. リウマチ因子陽性イコール治療ではない

  39. リウマチであっても治療の必要がないケース

  40. 繰り返しあらわれる関節痛…短周期型のリウマチ?

  41. 長期間にわたるリウマチ治療も、今は活動性がないため治療の必要なし。

  42. CRPマイナス、MMP-3正常、リウマチの活動性なし。治療の必要はありません。

  43. 変形性指関節症なのに、リウマチの治療をされていた

  44. リウマチが発症していないのに治療をされていた<結構多いケース>

  45. リウマチ因子、抗CCP抗体ともに強陽性。しかしCRP(-)と発症していない。治療は必要ないのに、プレドニンやリウマトレックスが…

  46. リウマチ因子のみで発症してもいないのに、リウマトレクスが処方されていた。実は変形性指関節症のみ。治療中止。

  47. 発症していないのに、たくさんの抗リウマチ剤の投与で副作用出現

  48. リウマチの活動性がないのにステロイドやリウマトレックスが出されていた!

  49. リウマチの活動性がなく発症していないのに、即断治療され、そのうえ滑膜切除術まで受け、仕事も日常生活も困難…

  50. 祖母と曾祖母がリウマチ。自分もリウマチ因子、抗CCP抗体もあるがまだ発症していない。

  51. リウマチ因子、抗CCP抗体陽性。しかしCRP、MMP-3は正常値。

  52. リウマチの活動性がないのに治療されていた

  53. ヘバーデン結節とブシャール結節

  54. 発症もしていないのに…薬で体調を崩して当院へ

  55. リウマチ因子、抗CCP抗体は陽性。しかし活動性はないので治療は必要ない

    リウマチ因子、抗CCP抗体は陽性。しかし活動性はないので治療は必要ない

  56. リウマチ因子、抗CCP抗体ともに強陽性。「あなたは将来身体障害者になります」と言われた

  57. リウマチ寛解から全快へ。非常に稀なケース(抗GAL欠損IgG抗体陽性から陰性へ)

PAGE TOP