その他の改善症例につきましては、院長著書『リウマチが治った』『リウマチが治った②』『リウマチを止める――完全寛解の時代到来!!』をお読みください。
多数の方が、どのようにして改善したのかが詳しく書かれています。
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リウマチの体質をもっているが、今発症していない(炎症なし)
リウマチの体質があっても、予防のための治療は必要ない
今回ご紹介するのは、最近繰り返し膝に水が溜まるという70代女性のケースです。
≪受診前の経過≫
以前から膝に痛みがあり、整形外科に通院していた。
2017年11月、その整形外科で、たまたまリウマチ専門のドクターに診てもらうことになった。
この時、右足趾第1趾のつけ根をみて、「外反母趾ではなく、リウマチの症状」と言われた。
血液検査は
●リウマチ因子(+)、CRP(-)
リウマチの診断基準は5.5点でリウマチではないということだったが、予防のために薬が処方された。(母親もリウマチだったこともあり、予防のために服用しようと思った)
処方された薬は色々と変更され、現在はリウマトレックス3c/週、フォリアミン、プレドニン(1)1T/日。
今年に入り、何度も膝に水が溜まるようになった。通っている整体の先生から、「わいわいに行けばリウマチは治る」と言われ、受診となった。
≪当院初診時の炎症の有無≫
持参された初診時の検査データをみると、リウマチの体質は持たれていましたが、炎症所見は認められませんでした。リウマチが発症していないにもかかわらず、治療が始められていたと考えられました。
当院で詳しく検査してみると、
●リウマチ因子(+)、抗CCP抗体(-)、CRP(±)、MMP-3 76.3
若干の炎症所見が認められましたので、リウマトレックスを服用したことにより、本当にリウマチが発症したのではないか、とも考えられました。
そこで、左膝に貯留していた関節液を穿刺し調べてみると、黄濁色で粘り気があり、リウマチによる関節液によく似ていました。しかし、たんぱくは2.4と漏出性でしたので、変形性膝関節症により関節液の貯留であることがわかりました。聞くと、最近立ち仕事を始められたということでした。そのことが関節液の貯留に起因していると思われました。
患者さんには、ヘバーデン結節やブシャール結節がみられましたが、そのほかの変形はありませんでした。そのため、リウマチは初めから発症しておらず、必要のない治療をされていた、と考えられました。
そこで、患者さんの了承を得て、1ヶ月休薬し、その後の検査でリウマチの活動性を確認することを提案しました。また炎症所見が認められれば、改めて治療をしていきましょう、とお話ししました。
家族がリウマチだから、リウマチ因子があるから、ということだけで治療をする必要はないのです。ましてや予防としての治療なんて、あってはならないのです。
1か月後には、この患者さんにリウマチが起きているのか、変形性膝関節症だけなのか、皆さんにお伝えすることができると思います。
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